天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-02-22

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◇◆ アニマル浜口の子を思う心 ◆◇
 アニマル浜口というと、アテネ五輪の女子柔道を思い出す。娘の浜口京子が準決勝で敗れた時、観客席から身を乗り出して大声で判定に抗議した父親兼コーチの彼だ。正直言ってやりすぎだと思った。いくら判定に納得がいかないからといってあそこまで文句を言うのはスポーツ精神に反すると思った。
 そんな私の印象を2月21日の日経新聞夕刊の記事が一変させた。ひと・ビジネス欄の「人間発見」というインタビュー記事で語る彼の言葉に心打たれた。
「・・・もう判定は変わらないだろうとわかっていた。だが観客席から身を乗り出して『おかしいだろう。納得できない。問題じゃないか』と大声で叫びました。実は負けてマットの上でぼうぜんとしている京子と目が合ったんです。その時に思わず叫ばずにはいられなくなった。父娘の魂の交流でしょうか。あそこで判定に異議をつけなければ、後々京子に『お父さん、あの時なぜ叫んでくれなかったの』と責められそうな気がした。周囲には迷惑だったかもしれないが・・・娘が勝つのはもちろん嬉しいですが、負けた時ほど、いじらしい、抱きしめてやりたいという心情になるのが不思議でした・・・」
 世間はこれを「親ばか」という。しかし「親ばか」で何が悪い。「親がわが子を可愛がらなくて、誰がお前を可愛がってくれるのか」とアニマル浜口は言っているのだ。その率直さに私は感動した。
 ◇◆ 内部告発者は救われないのか ◆◇
 2月20日の日経新聞だけが報じていた。30年も前に、「トナミ運輸」の会社員串岡弘昭さん(58)が、大手運輸会社が運賃を水増しするヤミカルテルを結んでいる事に気付き同社幹部にやめるよう直訴した事件があった。会社に無視されたため新聞社に情報を提供。その結果、待っていたのは左遷人事であった。研修所への異動を命じられ、29歳から一人部屋に「隔離」され草刈や雑用をする生活。責任ある仕事は与えられず、昇格もなかった。串岡さんはこの処遇は内部告発への報復人事であると02年1月に損害賠償の訴えを起こしたが、会社側は「会社を公然と批判したりする社員の昇格など検討しないのは当然」と突っぱねた。この訴訟の判決が23日、富山地裁(永野圧彦裁判長)で言い渡されるのだ。
 30年もの間飼い殺しのような閑職に追いやってきた「トナミ運輸」は酷い会社だ。しかし串岡さんを助けなかったのは「トナミ運輸」だけではない。「公正取引委員会に申し入れしたが、それでもヤミカルテルは続くので、次に東京地検特捜部に訴えました。私も事情聴取された。でも、あと一歩のところで捜査が止まりました。ロッキード事件の捜査で忙しいというのが理由でした・・・」(2月18日付日刊ゲンダイ)。
 「・・・途中、和解してはどうか、と裁判長に勧められたこともありました。でも拒否をした。内部告発の正当性を判例として証明したかったんです。裁判に勝って、月20万円ほどの給料でも文句を言わず、耐えて支えてくれた家族に報いたかった・・・」(同紙)。
 2月14日号のアエラに「NOといえるサラリーマン」と題して、良心に逆らわずに、正しいことをしたいとして告発に踏み切った人の特集記事がある。この串岡さんのほかに、裏金疑惑を告発した愛知県警の巡査部長、仙波敏郎さん(55)、日経新聞社の鶴田卓彦社長の不正を告発した元部長の大塚将司さん(54)らである。いずれも報復人事にあっている。組織が裏切り者の個人を徹底的にいじめる姿がある。
 今年4月に公益通報者保護法が施行されるという。しかしこれは職場の不正に気付いた人はまず社内組織に通報しろというものだ。「内部告発させない」といっているようなものだ。もうそろそろ告発者が守られる時ではないか。23日に下される判決に注目しよう。
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