天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-03-08

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憲法をめぐるこの国の政治家と国民の乖離
 世論調査の数字は新聞によって、調査の時期によって差はあるが、それでも国民の半数以上は憲法9条の改正に慎重である。その一方で改憲が必要と考えている政治家は8割から9割に上るという。これはどういうことか。国民の意思を国政に実現するのが政治家の仕事ではないのか。自分の意見を正しいと思い込みそれを政治に反映しようとする思い上がった政治家が多すぎはしないか。
 そう思っている時に3月8日の朝日新聞の論説が目に留まった。根本清樹氏の「政態拝見」の中で述べられている政治家の発言は噴飯ものである。民主党の憲法調査会長の枝野幸雄という政治家がこんな発言をしているというのだ。「・・・憲法改正を本気で実現しようとするのなら、自民、民主の二大政党が当面の政権争いとは切り離して憲法問題を話し合い合意するしかない・・・憲法をいかに総選挙の争点にしないかということが最低条件、前提条件になる・・・憲法といえば最高法規で法の中で一番大切な法だと誰しも思っているが、それは半分間違っている。憲法はあらゆることを決めているわけではない。憲法は政治の枠組みを決めているだけである。どの党が政権をとっても従うべき公権力行使のルールであり、共通の土俵である。共通の土俵作りということなら、二大政党が、政権争いとは別枠で話し合うこともできるだろう・・・」
 驚くべき暴論である。こんな男が政界の憲法論議をひっぱる一人だという。現に枝野議員は2月18日の衆院憲法調査会(自民・中山太郎会長)で、自民、民主が共同で改革草案作りを進めるべきだという認識を示し、同時に憲法改正の手続きとなる国民投票法案について早期に制定する事が望ましいとまで述べたという(3月8日しんぶん赤旗)。そしてこの発言は自民党側から、「日本の歴史を変えるような物凄い発言だ」(中山太郎会長)、「重い発言だと心から歓迎する」(保岡自民党憲法調査会長)、と喝采を浴びたという。
 こりゃダメだ。民主党が自民党の補完勢力であるのも無理はない。そういえば根本氏の記事の中で他にも驚くべき発言をしている政治家がいた。「憲法を変えることで現在の日本の苦境が緩和するんですかと言われれば、直ちにそうなるような問題は少ない・・・」(民主党仙石由人政調会長)、「憲法が明日決まらなかったからといって生活に困るという話ではなく、改正されなくても世の中動いている。その意味では切迫感のないテーマではあるんですが・・・」(与謝野馨自民党政調会長)。
それだったら憲法改正なんかさっさとやめて、国民の暮らしを安全で豊かにする政策の実現に専念しろ!
 国会中継は低劣な政治家の宣伝の場か
 これも国会議員の質の悪さを物語る記事だ。3月8日の読売新聞に、参議院予算委員会の質問時間の変更の話が載っていた。つまり現在のルールでは衆議院予算委員会の質問時間は質問者と答弁者の合計となるいわゆる「往復方式」であるのに対し、参議院予算委員会の質問時間は質問者だけの時間の(「片道方式」)となっている。ところがこれを参議院も「往復方式」に変えることで自民党と民主党が合意したという記事だ。
 読者には何のことかわかりづらいと思うが問題の本質はこうだ。「往復方式」だと答弁者がダラダラと余計な事を喋り続けたらそれが質問者の質問時間を消化することになる。これに対し「片道方式」では質問者の質問時間だけがカウントされるのでたとえ短い時間でも質問者の能力では随分と中身のある質問が出来る。答弁者がいくら逃げの答弁を長々としても質問時間は減らないからだ。本気で質問しようとするヤル気のある国会議員ならば「片道方式」がいいに決まっている。実際問題として私が国会に日参していた頃、この片道方式は本当につらかった。厳しい質問者の場合は丸で時計が止まったかのような錯覚になり大臣も政府委員もこの「片道方式」には閉口していた。
 それが「往復方式」になるという。明らかな参議院の野党質問封じである。それを承知の上で、野党第一党の民主党が自民党に応じて、参院に導入することに賛成したという。共産、社民党が反対するのはただでさえ少ない質問時間が答弁者の無駄答弁で限りなくゼロにされてしまうからだ。
 この記事によれば民主党が「往復方式」に合意したのは「テレビの国家中継で長く映るには往復方式のほうが良い」との声が党内にあるからだという。もしそれが事実であるとすれば一体民主党議員は国会質問をなんと考えているのか。国会質問は相手に喋らせてこそ意味のある審議になるのではないか。次から次へと厳しい質問を手短に繰り出す事によって政府を追い詰める事が出来るのではないか。自分が長々と演説をしてテレビ映りを狙うなどとは言語道断である。私はここに民主党議員のダメさ加減を見つけた気がした。不勉強だからまともな質問が出来ないのだ。持ち時間を自分の宣伝にしか使えないのだ。相手の馬鹿な質問を追及できるほどの実力がないのだ。これでまた小泉首相の低劣な独演を国会で聞かされると思うとゾッとする。国会審議がどんどんどつまらなくなっていく。
 麻生福岡県知事の正体みたり
  先般の全国知事会長選挙で福岡県の麻生渡知事が選ばれたとき、私はあまり良い印象を持たなかった。就任の言葉の中に、国に対する地方の気概が感じられなかったからだ。対決を嫌い話し合いや妥協で収める事が良いなどと公言していたからだ。ただでさえ多い官僚出身知事の中でもひときわ官僚臭を感じさせる知事だと思った。
 その麻生知事がとんでもない発言をしていることを知った。3月8日のしんぶん赤旗によれば、福岡県警の裏金事件の幕引きを宣言したというのだ。周知のように警察の裏金作りは全国に広がっている。そしてこの問題は単に地方警察の話ではなく警察庁が黙認している長年の悪習の疑惑が強まっている。それなのに、というよりも、だからこそ、麻生知事は幕引きを宣言したのだ。3月7日の福岡県議会において麻生知事はこう答弁したという。
 「・・・(県警察の調査結果の)内容は適切で返還額も妥当・・・監査委員に対する監査要求および刑事事件としての告発はしない・・・」
 官僚出身の彼は警察の不正は百も承知だ。これ以上追及して警察庁を追い込む事は国を崩壊させることになると知っている。だから国側もこれ以上の対応をとる気はない。それを見越しての発言だ。知事になって久しいというのに今でも県民より中央政府を弁護し続けている。
 こんな知事を選んだ福岡県民は警察の裏金問題をどう考えているのだろう。こんな知事を知事会会長に選んだ全国の知事が地方分権を本気で考えているとはとても思えない。残念だ。
 戦後最低の日本外交
 先日の新聞で外務省幹部が「最近は新聞記者が取材に来なくなってさびしい」といった趣旨の発言をしているという記事を見つけた。そんなぼやきが出るほど今の外交は行き詰まっている。書くべきことをやっていない。そう思っていたら3月8日の日経新聞に、小泉政権第3コーナーと題して、首相最大の「支持地盤」であった外交が、どれもこれも行き詰って小泉首相の首を絞め始めているという記事が載っていた。
 北朝鮮や中国との関係は言うに及ばず先般のノムヒョン韓国大統領の演説でも日本への厳しい言葉が発せられた。ロシアとの関係については、町村外相がプーチン大統領の訪日が決まらないのにいらだって、「何を考えているのか分からない」などとおよそ外交的でない粗野な言葉を記者に投げつけていた。もともと関係の薄い欧州に対する外交は存在しないに等しい。中東外交はイラク戦争への米国支援で吹っ飛んだ。アフリカ外交などは誰も真面目に考えていない。そんな中で国連安保理常任理事国入りに奔走して無駄な時間と金を使っている。
 残るは唯一の頼みとしている米国だけだ。だから対米追従外交にますます傾斜していくしかない。そしてその米国に牛肉問題や米軍再編問題で煮え湯を飲まされ続けているのである。どう考えても今の日本の外交は戦後最低である。その責任は勿論小泉首相の独断とそれをいさめる胆力のない外務官僚にある。
 その小泉首相が相変わらずギョットするようなお粗末な発言をしていることを3月8日の毎日新聞で知った。「靖国と日中」という特集記事のなかで次のような面白いエピソードが紹介されている。
中国の靖国神社参拝に対する批判にさすがの小泉首相も配慮せざるを得なくなったのか、「靖国神社問題ばかりが日中間の問題ではない」、とか「(靖国問題での)どんな質問がでても何も申し上げない」などと言っていた小泉首相が、1月5日夜、インド洋大津波の被災国首脳会議出席のためジャカルタへ向かう政府専用機の中で、外務省幹部らを前にこう語りかけたという。
 「君たち、まさかおれが今年は靖国に行かないことを前提に外交を考えているわけじゃないだろう?」。これは靖国神社参拝を前提に対中外交を構想せよと外務官僚に指示したということだ。
どうしようもない外交感覚だ。中国は小泉首相の態度を心底怒っている。この男が首相である限り日中関係は進展させないと思っている。なぜそんなことが分からないのか。せめて外務官僚は「あなたが靖国参拝を続ける限り中国とのあらゆる問題は動きません」首相に言うべきだ。そう思ってすぐに私は考え直した。そんなことを首相に言える外務官僚がいれば日本外交がここまで行き詰る事にはならなかったに違いないと。
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