天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-04-19

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見込みはずれの愛知万博
 愛・地球博覧会が3月に始まって以来、テレビ、新聞は愛知万博報道に明け暮れている。しかし私はこの万博を好きになれない。
 私がカナダの日本大使館に勤務していた時の事だから、1995,6年の頃だ。万博開催地を日本はカナダと競っていた。日本政府はトヨタのために国を挙げて誘致に奔走した。その露骨な誘致合戦にカナダとの外交関係まで険悪になったほどだ。これほどまでにトヨタという会社に肩入れする日本政府、外務省、通産省(当時)に私は不快感を持ったものだ。
 そもそも万博を愛知に誘致する動機は何だったのか。中部国際空港と一体となったトヨタの為の地域開発ではないのか。愛知万博の歌い文句である「地球環境」とは裏腹に、環境破壊の弊害もある。当初愛知県は万博会場跡地を巨大ニュータウンにしようとしていた。これを万博国際事務局から「万博に名を借りた住宅開発」だと批判され、急遽メイン会場を移さざるを得なかった。それでも天然記念物のオオタカなどが住む自然を破壊している。
 そんな愛知万博に世間はいつまでたっても関心を示さなかった。そこで政府はパフォーマンス好きの小泉首相を使って政府広報ビデオまで我々の税金で作った。それを世界にバラまいて参加を呼びかけた。
 あらゆる努力をして開幕した愛知万博にもかかわらず、入場者が伸びない。半年間の開催期間中に見込まれる入場者数を1500万人と見込んではいるが、800万枚の入場券をトヨタが買い占めたという。県の決定によって小中学校の遠足先はすべて万博にするという強引なことまで行われているらしい。
 そんなトヨタ万博、いや愛知万博に、驚くべき不正が指摘された。写真週刊誌フラッシュ5月3日号で、経済開発・人道援助に使われるべきODA予算の約40億円が、参加国を増やす為に出展経費として支出されていたと暴かれたのだ。パビリオンの建設、撤去費をはじめ警備、清掃、スタッフの旅費や宿泊費まで含まれている。万博支援室担当者の答えがふるっている。
「・・・万博にODAを使ってもいいのかと言った議論はありました。途上国が万博に参加することによって日本からの観光客が増えたり、企業の進出のきっかけになる。それに日本が国連安保理の常任理事国を目指す上でも重要です・・・」これはもうメチャクチャな説明だ。
 入場者が増えない最大の理由は日本の景気が一向によくならないからだ。地元としてはこれを契機に地方経済を潤わせようと入場料から交通費、会場飲食費などを吊り上げた。しかし庶民のふところは苦しい。二の足を踏む。
傑作なのは小泉首相の一言で弁当持込がOKとなった事件だ。パフォーマンス小泉首相の陰で、食堂経営者が怒ったため、持込可能なのは手作り弁当だけという中途半端な形に終わった。コンビニで買った食物はダメなのか、それを家で弁当に詰め替えてくればよいのか、会場で押し問答が見られたという。
経済が回復し、暮らしが楽になれば入場者は増えるのだ。四年間も首相の座に居座って景気一つ向上させられずに、小泉さん、あなたは一体何をしてくれたというのか。来年9月まで首相に居座り続けるとは虫がよすぎる。
おわびをしたのはどちらか?
 反日運動をおさめる外交的努力は、ただ一つ小泉首相が中国国民に見える形で、靖国参拝をしませんと表明することだ。言い換えればこれさえ行えば問題は一気に沈静化する。
ところがこの問題をメデアは一切指摘しない。メデアの誰一人としてこの本質的な質問を小泉首相にぶつけようとしない。なぜならばこの質問こそ小泉首相を窮地に立たせるからだ。いまさら小泉首相としては謝ることなどできない。靖国参拝を止めるとはいえない。それを行うと「信念を変えない」ことを売り物にしてきたパフォーマンス首相の一枚看板が失われたちどころに失墜するからだ。これほど嫌な質問はない。だから官邸は必死になって圧力をかけているのであろう。国民の関心をそらしているのだろう。驚くべき報道規制だ。卑しい情報操作だ。
 しかし歴史認識と謝罪問題を避けては今回の反日騒動はやみそうもない。そこで何が行われているのか。外相会談で町村外相は強く中国に謝罪を求めたことになっている。それに対して中国側は一切謝罪しなかったという。おそらくそういう話し合いが外相の間で行われたというのは事実であろう。中国側の強硬な態度は国民感情としても許しがたいと思う。
しかしこのような報道の裏に隠れて、町村外相が密かに中国側に日本の過去について謝罪していたことはもみ消されようとしている。この外相会談の本当の狙いは、謝罪するからなんとか反日デモを収めてくれないか、日中首脳会談を実現してくれないかと、小泉首相の伝言を伝えていたらしいのだ。
 この事実を中国国営の新華社通信が伝えたから大騒ぎになった。いや大騒ぎになったら大変だから、外務省は目立たないように必死に押さえ込もうとした。それを各紙が協力して大きくならないように押さえ込んでいる。
19日の各紙はいずれも谷内正太郎外務事務次官の記者会見の模様を一段記事で小さく報じた。それによると、谷内事務次官は新華社の報道を否定して、おわび表明はしなかったということになっている。
 しかし谷内次官の表現をよく読むと、あきらかなごまかしがあることが分かる。19日の毎日新聞によれば谷内次官の正確な表現振りはこうなっている。
「・・・事実関係としては、おわびするとか、そういう直接的な表現はない・・・日中共同声明や村山首相談話で日本の歴史認識はすでに明らかにされていると言及した・・・」
 これは官僚用語では謝罪の意を伝えたと認めたことだ。もうすでに何度も謝罪しているから、それでなんとか勘弁してもらえないか、ここで謝罪するから、小泉首相との首脳会談では歴史問題や靖国参拝問題は一切持ち出すことなく、未来志向の話でお願いしたい、そう町村外相は頼み込んでいたのだ。
 あわれな町村外相よ。情けない外務官僚よ。すべては親分小泉首相の間違いの尻拭いをコソコソやらされているのだ。それを上手くやったものが小泉首相の覚えめでたく出世させてもらえるのだ。
 こんな姑息な事が中国に通じるとは思えない。首脳会談は実現するか疑わしい。もしめでたく首脳会談が実現したなら、その時こそ日本の記者諸君、小泉首相に聞いて欲しい。
「靖国参拝の中止を求められましたか。小泉首相はそれでも続けるのですか」
イエスかノーかで答えるように質問して欲しい。
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