天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-04-21

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朝日新聞がおかしい
 日本の大手新聞は、記者クラブ制にあぐらをかき権力側のほうに軸足を置いてエリート意識を強めていくうちに、どんどんとジャーナリズム精神を失いつつあるようだ。
その中でも、読売、産経のように体制擁護を目的とした記事ばかりを掲載する新聞社は織り込みずみだから驚かない。しかし、それに比べてまだましだと思って読んできた朝日新聞が最近おかしいのだ。これには失望させられる。政治圧力の有無をめぐるNHKとの争いや、武富士からの資金援助疑惑など、苦しい立場に置かれているから筆が鈍るのか。体制迎合的になるのか。報道姿勢が曇ってきているのは残念だ。
 最近の朝日の紙面で驚いた記事が二つある。一つは4月18日の中国の反日運動に関する社説である。その社説で朝日は中国政府を次のように激しく批判している、
 「・・・中国政府はこれまでも、『歴史問題への日本の誤った態度に不満を持つ市民の自発的な抗議行動だ』『責任は中国側にはない』などと述べてきた。まるで暴力行為に走ったデモ隊を擁護するかのような発言だ。それが、暴力デモが止まらない素地になっているのではないか・・・」
 そして次のように日中首脳会談を実現させるよう中国側に求めている、
「・・・日本側が提案した小泉首相と胡錦涛国家主席の首脳会談はぜひとも実現すべきだ。お互いの建前は建前として、トップにしかできない腹を割った対話が求められている」
 この社説には、靖国参拝を強行し続ける小泉首相の言動や、過去を直視しない日本の歴史教科書が中国国民の感情を傷つけ、怒らせている事は一切触れられていない。まるで愛国主義を前面にだす産経新聞と同じような対中強硬姿勢である。日中首脳会談の最大の論点が小泉首相の靖国参拝継続の可否にあるにもかかわらず、このことに言及せず首脳会談を求める朝日の社説は奇妙である。
 もう一つの記事は21日の松本仁一編集委員の「ワールドクリック」である。松本編集委員はこの中で、「失政を人種差別問題にすりかえる指導者たち」と題して、南部アフリカのジンバブエのムガベ大統領の例を出し、失政や腐敗の為にいつまでたっても国づくりの出来ないアフリカ諸国の指導者は、それを批判するものを「人種差別者だ!」と叫んで批判を封じると決めつけている。
彼はこう書いている、
「アフリカの多くの国で、統治の光景は寒々しい。ワイロばかり要求する役人、汚職づけの政治家。治安は乱れ、経済は停滞する。その中で大衆は、植民地時代と変わらぬ貧しさを強いられている・・・思い余って失政や腐敗を指摘することがある。そんなとき返ってくるのが『レイシスト!』コールだ。外国人は黙ってしまう。批判を封じる最高の文句なのである・・・」
 松本編集委員を私は個人的に知っている。かつて私が南アフリカの人種問題を担当していた頃からの知り合いである。彼の言う事はわかる。いつまでたっても自立復興できないアフリカ諸国に私も腹を立てることもあった。しかしだからといってそれを口に出して彼らの無能さや腐敗ぶりを紙上で皮肉って何になるのか。
無能や腐敗ぶりは日本の指導者や政治家、官僚だって同じではないか。朝日新聞の愛読者である私は、こういう記事を朝日新聞で読みたくない。
外務省が隠蔽した身代金事件
 本日発売の週刊新潮4月28日号に凄いスクープ記事がでた。平成11年8月に起こったキルギス共和国における日本人技師4名の拉致救出の際、巨額の身代金が支払われていたというのだ。しかもその身代金の大部分はキルギス共和国アカエフ大統領の懐に入っていた疑いがあるというのだ。
 このような記事は決して大手新聞は書かない、書けない。週刊誌や雑誌の記事のほうが時として貴重な情報源になるという好例である。
今年の3月24日、中央アジアのキルギス共和国で政変が起こり、アカエフ大統領がロシアに亡命したことは我々の記憶に新しい。アカエフ大統領が90年に初代大統領として就任した時は、キルギス共和国は「民主化の手本」「資本主義経済のモデル」などと評価され、日本政府も一昨年度まで約346億円ものODAをキルギス共和国へつぎ込んでいた。ところがアカエフ大統領が倒れてみると、一気に長期独裁政権の膿が噴出した。日本人拉致事件をめぐる身代金事件も、このアカエフ大統領の腐敗まみれのなかで起きていたのだ。不問のまま永久に時のかなたへ葬り去られて行ったはずの醜態が、アカエフ大統領の失墜とともに図らずも暴露されることとなったのだ。
週刊新潮の告発は次の通りである。すなわち拉致された邦人4名の救出を必死で行っていた現地の日本大使館担当官は、犯人側と交渉して身代金無しで解放するめどをつけていた。しかし手柄をあせる外務省の幹部は、政権へのダメージを避けるよう確実に邦人を救出したいと考える政府首脳と談合して、機密費を使って身代金を用意する。これがゲリラ側に伝わり交渉がもつれる。そこにキルギス政府が関与する。
日本政府はキルギス政府の要求に応じて身代金3億ドルを支払い邦人を無事救出するが、実はこの身代金はゲリラ側にわたることなくアカエフ大統領とその側近が着服したというのである。
驚くべき外交の杜撰さである。おまけに週刊新潮の記事によれば、当時現地には30名ほどの職員がキルギスの現地対策本部に派遣されたが、彼らの出張経費も身代金のために用意された機密費から捻出されたという。おかげで出張者は出張旅費がほとんど手元に残ったという。
これが事実なら大醜聞だ。外務省はこの期に及んでも「身代金を払った事実はない」としているらしい。ならば週刊新潮を訴えて名誉挽回を図るべきである。外務省が秘密を隠しているのか、週刊新潮が誤報を書いたのか。いずれにしても真実をはっきりさせなければならない。それほど重大な問題だ。
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