天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-05-25

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学歴社会の行き着く先
 24日の産経新聞に匿名の論評が載っていた。「日本の将来が薄ら寒い」と題して、大阪府の主婦から届いた投書を紹介し、日本の教育の現状について論じている。そこで紹介された投書とは以下のごときものだ。
 ・・・長男が昨年、公立中、公立高から東京大学に合格しました。親としては嬉しい限りなのですが、大学新聞などによると、今や東大進学者の半数以上が中学から私立だというのです。息子は「彼らは人種が違う。うちのような庶民の子はほとんどいない」といいます・・・息子は法学部で、周りは官僚や司法試験などを目指す子ばかりですが、そうした人たちが、「人種が違う」ままでいいのでしょうか。近所にどんな子がいたかもわからずに育ち、ましてや庶民の生活を知らない彼らが、日本の将来を左右するような仕事に就くことに、私は薄ら寒いものを感じます・・・
 この投書を紹介したあとで、この論評を書いた産経新聞の匿名の記者は、東京大学教育学部の苅谷剛彦教授の次の言葉を引用している。
 「・・・90年代初頭のゆとり教育導入以降、その傾向はますます進んでいる。『ゆとり』から脱出させようとするあまり、親も純粋培養されたエリートをつくることに抵抗がなくなってしまった。これはもちろんわが国の教育行政の大きな失敗であり、そうした受験エリートたちが今、社会に続々と出ているのである・・・(根本的な解決策は)公立校の再生しかない・・・」
 私はこの記事を読んで、何かがおかしいと思った。もちろん、金持ちが、塾や受験私立校を使ってその子弟を受験に成功させるような、生まれたときから「機会不均等」となっている日本社会の現状は問題だ。しかし「機会不均等」以前の問題として、国民全体が今でも信奉する、ゆるぎない学歴社会そのものがすべての元凶ではないのか。
 この投書をした主婦にしたって、「自分の子は金をかけずに公立校一本で東大法学部というエリート仲間に入ったのだ、むしろ金持ちの子弟よりも立派だ」という自負心を感じる。学歴主義のとりこになってはいないか。東大に行けなかった学生たちは、その他大勢なのか。エリートとして「この国を左右するような仕事」に就けないのか。
 ホリエモンが雑誌のインタビューで書いていたことを思い出す。自分は東大文学部に入った。東大で勉強したいというのではなくそのブランドが欲しかったのだ。もし自分の学歴が東大でなければただの若造としてもっと叩かれていただろう。東大というブランドがあるために一目置かれる、それがわかっていたから、とにかく東大の肩書きをまず手に入れようと思ったのだ・・・確かそんな記事であった。彼はいみじくも日本の学歴偏重の本質を掴んでいたのだ。 
 何とかしなければならない。しかし苅谷教授の言うように、「公立校の再生」だけで片付く問題であろうか。そんな生易しい事では、日本はいつまでたってもこの学歴偏重社会から抜け出せないであろう。そしてますます日本の若者は病んでいくであろう。
いっそ法律を作ってあらゆる履歴に学歴を書くことを禁じたらどうか。あたかも出自や年齢によって差別することを禁じるように、学歴を聞いたり、それによって差別したりすれば法律で罰せられるようにしたらどうか。教育の本質は読み、書き、計算であって、それ以外は学びたいものが、好きなことを自由に学べる環境をつくるだけでいいのではないのか。考えてみるがいい。受験から開放された子供たちに、いかに多くの自由が待ち受けているかを。
私が間違っているのだろうか。世間の多くの親も子供も、学歴と言うブランドを求めて、他者との差別化を積極的に追い求めているのかもしれない。勝つ事に優越感を感じているのかもしれない。
もしそうだとしたら、日本と言う国はつまらない国になってしまったということだ。そこにこそ、私は「薄ら寒さ」を感じるのだ。
日・米・イスラエル三国同盟が出来上がっているのかもしれない
25日の新聞に書かれている小泉首相の24日の動静のなかで、二番町のイスラエル大使館に夜の8時ごろからわざわざ出向いて、コーヘン駐日イスラエル大使と一時間半ほど音楽鑑賞をしていることを知った。
これには二つの意味で驚いた。中東紛争をめぐり日本は中立的な立場からパレスチナとイスラエルに公平に働きかけると、小泉首相はアッバスPLO議長に官邸で公言したばかりである。エルサレムに分断壁を建設し、パレスチナへの攻撃の手を緩めないイスラエルに、日本の総理がここまで友好関係を演出することがわが国の中東外交に悪影響を与えるという認識はないのか。
さらに、この夜は中国副首相の突然のキャンセルの原因が、小泉首相の靖国参拝に起因していると言う事を中国側が認め、これに対して日本側が反発している時である。その時にイスラエル大使館で一時間半も音楽鑑賞を続ける小泉首相の余裕はどこからくるのか。
そう思っていたら、同じ25日の日経新聞に、イスラエルのシャランスキー元閣僚が、日経新聞のワシントン特派員に対し、「中東に引き続き中国にも民主化圧力を強めるべきだ」と主張したという記事が目にとまった。彼は、ブッシュ大統領に「私に一つアドバイスするとしたら何か」と問われ「各国の反体制派を支持すること」と答えたという話を披露している。中東に民主化を拡大しようとするブッシュ政権の外交方針に大きな影響を与えたとされる人物である。
その彼が中国について、「15-20年後には世界第二の超大国に浮上する。米国の安全保障は中国国内がいかに自由になるかに左右される」と述べ、中国に民主化圧力を強めるべきだといっているのである。
駐英大使である野上義二氏は、かつて外務次官の時、訪日中のイランのアミンザーデ外務次官に「パレスチナ問題から手を引け」とイスラエルの代弁者のごとき発言をしていた。彼はワシントン在勤中にユダヤ系米国人とのつながりを構築したことを自慢げに話し、ユダヤ系米国人との関係が良いので自分は出世すると回りに吹聴していたという。その野上大使は、今度の大使会議で日本に滞在している時に、わざわざ一人官邸を訪れ小泉首相と会っていることが、やはり新聞紙上の首相の動静欄で明らかになっている。
小泉首相がここまで中東政策で対米従属政策を繰り返すのも、中国に対する強硬姿勢に固執するのも、米国・イスラエル同盟と手を繋いで、自らの地位を確保されているからではないのか。その見返りとして米国・イスラエルとの関係を重視しているのではないか。そう考えることで小泉首相のあらゆる言動が見事に符合する。
 橋梁談合事件の真の責任者は誰か
 国が発注する鋼鉄製の橋梁小路を巡り公正取引委員会が大手メーカーを独禁法違反で告発し、東京地検が強制捜査を開始した。近く立件されることは間違いない。いつものように、多くの関係企業の責任者が頭を下げ、罪悪人となってマスコミに叩かれることであろう。
 しかし彼らを叩くことにより問題の本質を見失ってはならない。多くの官僚がこれら企業に天下っているのである。天下り官僚の役割は何か。出身官庁とのパイプ役であるはずだ。すなわちこれら談合の背景には主管官庁OBと主管官庁の関与があるはずだ。
 そもそも国が発注する工事に談合があったのである。発注先の国の責任こそ問われなければならない。ましてや国が談合を黙認していたとすればどうか。今度の事件は長い間の官民癒着構造の一端がなんらかのきっかけで明るみになったに過ぎないのだ。
 今後の捜査で全貌が明らかにされなければならない。しかしおそらくそうはならないであろう。検察そのものが官僚なのである。官僚は身内をかばい、見せしめに民間にすべての責任をかぶせる。この国で繰り返されてきた壮大な欺瞞である。事態の進展に注目していきたい。
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