天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-05-27

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税金が食い物にされている
 今更ながらこの国の税制の不正を痛感する。それは消費税の引き上げが必至であるということではない。我々国民が知らないところでかくも多くの不合理な税金が跋扈しているということである。そしてその税金が我々の知らないところで官僚や族議員に食い物にされているということである。
 道路特定財源という言葉がある。揮発油税、石油ガス税、自動車重量税、地方道路税、軽油取引税、自動車取得税からなる。これほど多くの複雑な税金が自家用車を所有する国民に課せられているのである。1953年に、諸外国に比べて立ち遅れていた道路を整備するため「自動車の利用者に整備費を負担させる」という考え方で導入された。05年度の税収見込みは国と地方合わせて約6兆円。こんなに多くの税金が有無を言わせずに徴収されているのだ。
 問題はその使途である。27日の朝日新聞で、この財源の奪い合いで関係省庁、族議員の綱引きが激しくなっている事が書かれている。その理由は税収が増えて来年度にも余剰金が出ることが確実な為、それをどこにまわそうかという争いだ。財務省は財政赤字の補填の為にも一般会計へ入る額を減らしたくない。旧運輸省、旧建設省、環境庁などはそれぞれの所管事業に金を回したい。その裏に族議員が動き回る。
 しかしもっと深刻な問題は、このような財源が、橋梁談合事件で明らかなように業界、官界、政界の利権に還流されているおそれがあることだ。そしてもっと腹立たしいのは、余剰金が出るようなら税率を下げるなどして国民に還元すべきであるところが、一向にそういう議論が出てこないことである。27日の日経新聞に、「余剰金という言葉は使うな」という指示を国土交通省幹部が出したという記事があった。谷垣財務相は「今すぐ余剰が出るわけではない」と火消しに回り、財務省幹部は「税収が減るのは困る」と本音を漏らしているという。
 特定財源の見直しこそ財政改革の主要なテーマであるはずだが、郵政民営化が改革のすべてであるように、国民の関心はそっちに向けられたままだ。
 軍隊なき占領
 久し振りに面白い本を読んだ。面白いというより慄然とする本だ。占領の混乱期に、米国が日本を自らの都合のいい国に支配しようと暗躍していたということは知っていた。しかしここまで日本の指導者層が米国の手先になっていたとは驚きである。
 ジョン・ロバーツというジャーナリストの手による「軍隊なき占領」(講談社アルファ文庫から03年3月20日に邦訳発行)は、マッカーサーの日本民主化政策が、ハリー・カーンをはじめとしたジャパン・ロビーの手で180度逆行させられ、戦後の日本が、民主化どころか、米国に操られた日本の指導者層と闇のフィクサーによって、国民の犠牲のもとに完全な米国の手先にさせられてしまったという事実を、資料に基づいて証明した本である。
 圧巻は、自ら絞首刑を覚悟していたというA級戦犯の岸信介が、おなじくA級戦犯の児玉誉士夫、笹川良一とともに無罪釈放され、米国の手先となって日本を米国に差し出した売国奴であると断定している箇所である。期限が切れそうになった安保条約を国民の反対を押し切って延長した岸の米国にとっての存在価値がそこにある。
その岸内閣で閣僚を務めた福田赳夫もジャパン・ロビーに取り込まれた一人だ。岸の孫である安倍晋三や福田の下足番をしていた小泉がここまで米国に従う理由は、実は我々が想像している以上の深い理由があることを、この本は教えてくれる。
 ジョン・ロバーツは言う。日本の歴史学者は日米関係の裏面史を決して書こうとはしない、それは彼らもまたジャパン・ロビーとの関係を有難がってきた連中であり、なによりも米国に操られたこの国の支配者層の最大の汚点を追及することは自殺行為であるからだと。
 我々はひょっとしたら孫悟空のように米国というお釈迦様の手に上で踊らされているのかもしれない。いくら小泉批判を重ねても無駄なことかもしれない。小泉首相がこれほど傲慢でいられるのも米国という強力な後ろ盾によってその地位が保証されている事を知っているのかもしれない。もちろんその為にはあらゆる米国の指示を、国民の願望よりも優先するという対価を払っての事である事も。
 果たして日本はこの「軍隊なき占領」から逃れられるであろうか。徒手空拳の我々国民ができることはあるのか。むしろ無駄な抵抗を諦め、口をつぐんで体制に従うことが利口なのか。
そうではあるまい。この国が我々の知らないところで深く米国に占領されているのなら、なおさら日本を米国から取り戻さなければならないであろう。それは将来の世代への我々の責任であろう。
すべては事実を知る事から始まる。一人の出来ることは限度がある。しかし皆が知識を持ち寄り、情報を分かち合って、日本の戦後史を徹底的に学ぶことだ。後世に語り継いでいくことだ。そして日本を奪還する希望を失わないことだ。
米国や米国に操られた日本の支配層が最後におそれるのは、国民の目覚めである。自立である。最後に従わなければならないのが国民の声である。大衆の叫びである。だからこそ彼らは事実を伝えようとしない。国民のマインドコントロールに躍起である。小泉首相のパフォーマンスもその一つだ。
しかし情報伝達の進歩は、そのような姑息な操作をますます難しくさせていくであろう。過去には可能であっても最早時間の問題だ。真実が明らかになり国民が目覚めた時こそ、新しい日本の始まりに違いない。
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