天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-09-29

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壇上で水を飲む小泉首相
 総選挙が終わって2週間以上も経つというのに、政治ニュースの殆どが小泉首相にまつわるものにはうんざりさせられる。しかもそれが政策に関する意味ある報道ならまだしも、新人議員や小泉首相のまわりのゴシップばかりでまるで芸能ニュースだ。メディアがこんな体たらくだから小泉首相がますます増長してきた。どこまで自制心がないのか。
 28日の代表質問の風景がテレビに映し出されていた。前原民主党代表の質問に対する小泉首相の答弁である。
「選挙で大幅に議席を減らしたけれど・・・日本をあきらめずに、前原代表の下で政権交代を目指す政党に成長していってほしい・・・」
よく言ったものだ。これが国会の答弁なのか。これほどの皮肉を代表質問の答弁で言われて前原代表はぐうの音も出ないのである。
 しかし私が心底腹立たしく思ったのは、質問に答える前に小泉首相が壇上で水を飲むしぐさが映し出された時だ。一回、二回、三回・・・四回、明らかに人を食ったパフォーマンスだ。四回目に水を飲み干す時は薄ら笑いさえ浮かべていた。
 ここまで国会をバカにした総理があっただろうか。拍手さえ出る始末だ。マスコミはどの局をとっても、どの司会者をとっても、誰もこの小泉首相の態度を問題にしない。
これから始まる国会審議でこのような小泉首相の傲慢な答弁態度を見せ付けられるかと思うと暗澹たる気分になる。国会中継はやめたらどうか。どうせまともな審議は行われないのだ。まともな答弁は期待できないのだ。
 それよりも、この国で起きている異常な事件をどう捉えればよいのか。市民に向けられた無差別発砲、暴力団員の警察官への襲撃、異常な殺人事件、麻薬汚染の政治家や自衛官・・・日本が壊れていくこととこの国の政治の崩壊とは、決して無関係とは思えない。
 誰が小泉首相を勝たせたのか
 今度の選挙が小泉首相の圧勝に終わった原因について、うんざりするほどの検証がなされているがどれもこれも似たようなものばかりである。そんな中で、28日の朝日新聞「論壇時評」で金子勝慶応大学教授が書いていたものは興味深かった。
 そこではまず、郵政民営化という問題は我々の暮らしに切実感がない問題であるからこそ国民は安心して「小泉劇場」に熱狂できたのだと指摘した後で、「世の中が人情味にあふれ、ぬくもりに満ちたもの」ではなく、「誰もがイラつき、不安を抱えた時代である」からこそ、大衆はそこに欠けているものをあられもなく求めるのではないか、理路整然としたロジックやレトリックは百害あって一理なしと退けられ「感動が商品として機能する」、これを小泉首相は利用したのだ、その結果の勝利だという。
 そしてそのような小泉首相を支持した層の一つが「下流階級」の若者だったという指摘は今日の日本の問題点の根深さを物語っているとする。金子は、「小泉自民寄りクッキリ 20代のココロ」(東京新聞9月13日朝刊)などの論壇を引用し、20代前半は30代や40代よりも高い自民党寄りの傾向を示しており、しかも不安定就業層の若者のインタビューで、首相を格好いいと思って支持したという答えが目立ったことに注目する。それを裏付けるように、三浦展「下流社会 新たな階層集団の出現」(光文社新書)などを引用し、「下流」とは単に所得が低いだけでなく総じて人生への意欲が低く、小泉「構造改革」で増大した「下流社会」の若者たちが、市場原理主義に対して強い批判意識を持つどころか、むしろ為政者に「分割統治」され、すべてを受容させられているという、そしてそういう若者たちが今回の「政治バブル」を支える側に回ったことを明らかにしている。
日本はもはやまともな議論が通用しない世の中になろうとしているのだろうか。小泉首相がわが世を謳歌しているのも無理もないと思えてくる。
 公明党は護憲政党であることを本気で示してほしい
 前原民主党の誕生によって憲法改正が現実的になった。自公民による憲法改正案が提示される時はいつか。そんな中で9月28日の朝日新聞、「この人に聞きたい」で、公明党代表の神埼武法氏がこう答えていた。
 「・・・自民党だけで改正案を出しても、それだけの話・・・9条1項と2項は堅持し、集団的自衛権は認めない。そこは揺がない。9条で合意出来なければ、連立そのものに響いてくる・・・」
 その言やよし。前原民主党よりはるかに護憲的だ。しかし・・・その言にごまかしはないだろうな。集団的自衛権を認めないことをどのように担保するつもりか。9条3項に何を追加しようとするのか。国際貢献の名の下に自衛隊の海外派遣を認めることと集団的自衛権の行使との違いをどう区別するつもりか。
公明党が真に平和をのぞむ護憲政党であることを切に望みたい。今後の憲法論議の中ではっきりと証明してもらいたい。
イラクの現実を見ようともしない小泉首相
 イラクの現状は混迷の一途をたどっている。10月15日に迫る新憲法案の国民投票を前にしてイラク民族や宗派の対立は深まるばかりだ。危機感を強めた米英軍やイラク軍が掃討作戦を続け犠牲者が増え続けている。これに対する抵抗も日常的に行われている。28日の共同通信は、ついにイラクでも女性の自爆者が出たと報じている。悲しくも痛ましい事態だ。
このようなイラクの現実を一顧だにせず、小泉首相は26日の所信表明演説で、ただ一言「・・・イラクは平和な民主国家を建設中である・・・」と述べた。驚くべき欺瞞である。
「・・・間違いを認めない限り、ブレア首相も英国もイラク戦争を歴史の中にしまい込むことはできない・・・」これは先月急死したクック元英外相の言葉であるという。このような政治家が今の日本に出てこないことが悲しい。
小泉首相が「自分は正しい」と強弁を続けるのは、間違いと認めた瞬間に政権が崩壊する恐怖に内心脅えているからに違いない。小泉首相は見せかけとは裏腹に、小心で出臆病な人間に違いない。
どうなる普天間移設問題
 9月28日の朝日新聞にふざけた記事があった。日本側が米側キャンプ・シュワブ内に代替施設を建設する案を提示したのに対し、米国側は辺野古沖の現行計画案を縮小する案に固執し、先の大野防衛庁長官との会談でローレス国防副次官は日本案を一蹴したと伝えられた。
ところが28日の記事によれば、この事態を打開するためにワシントンで外交・防衛当局の審議官級の協議が行われるという。大臣間の話し合いで決められなかったものが、どうして事務官の、しかも局長よりも格下の、審議官級の話し合いで決められるというのか。案の定29日の各紙によれば話し合いは物別れに終わったという。
このような無駄な仕事を繰り返してどうして役人は責任を問われないのか。税金の無駄遣いと誰も批判しないのか。
そもそも米軍基地は削減、縮小するべきであるのだ。外国の軍隊を永久に認めるような国が世界のどこにあるというのか。在日米軍は時間をかけてでもいいから削減、撤退させていくという基本姿勢をはっきり打ち出さないかぎり、日米関係は矛盾と欺瞞の繰り返しに終始するほかはない。真に良好な日米関係が築けるはずがない。
米国従属は安保関係だけではない
 おそらくこのようなエピソードは限りなく存在し続けてきたのであろう。そのほんの一端が、折に触れメディアに漏れ伝わるのである。それにしても衝撃的である。竹下登蔵相がここまで屈辱的な態度をとっていたとは。
 朝日新聞で「プラザ合意から20年」という特集記事が連載されている。9月28日の記事の中で、ベーカー元財務長官はこう述べている。
「・・・日本は進んで合意した。合意直前に竹下登蔵相は『円をどのぐらいの水準にすべきか』と聞き、我々は『1ドル=217円』と答えた。蔵相は『2週間で217円になる』と言い、実際そうなった・・・蔵相は、我々が議会の保護主義に直面していることを認識していた。我々の圧力はなかった・・・」
いうまでもなく、85年のプラザ合意は戦後の日米通貨体制の転換期であった。政治的圧力によってドル安、円高が決められた。それをきっかけに日本のバブルが助長され、そして弾けた。今日に続く日本経済の低迷のきっかけであった。米国の圧力をはねつけたドイツと好対照にあっさりと円高要求を呑んだ日本であったが、その時の大蔵大臣がここまで米国に従順であったとは。そしてその大蔵大臣が日本の首相になるのである。
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