天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-11-28

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耐震強度の偽造問題騒ぎの影で隠されるもの
    突如として起こった耐震強度の偽造問題で連日マスコミは大騒動だ。この問題は本気で解決しようとすれば途方もない広がりと深さに行き当たるであろう。一つには、既存のビルについて耐震強度を徹底的に調査すれば、危ないビルは気が遠くなるほど広がるであろうということである。今回問題となった姉歯設計事務所の欠陥建築は基準に満たない比率が30-40%という途方もないいかさま建築であるが、100%に満たない建築物を含めるとおそらく数え切れない数に上るであろう。建築コストを少しでも安くしたいという過当競争の結果、少しの不足なら大丈夫だろうという意識の甘さが生じていたとしても不思議ではないからである。いやむしろそれが当然と考えたほうがいい。しかし崩壊の危険という観点から捉えれば、50%以下が駄目で、80%くらいならいいだろうと言ったいい加減さは許されない。これからこの問題を国はどう対応していくのか。二つ目には検査制度のいい加減さと国の責任である。建築許可を与えるのは最終的には国である。官僚である。今の検査制度は「人間性善説に基づいて作られている」から不正を見つけるのには限度がある、などという弁解が報じられているが、こんな馬鹿げた言い逃れはない。この国のあらゆる検査制度は、一方においていい加減に行われており、他方においてはその検査制度を悪用した不正や癒着が横行している。事実今回の事件でも、元国土庁長官が危険を承知で関係業者のために便宜を図っていたということが早々と報道された。業者から政治献金まで受け取っていたという政治家もいるらしい。関係者は知っていながら隠蔽し続けていたのだ。事実が発覚したとたんに大騒ぎんあったといういつものパターンだ。
   この大騒ぎはどこまで続くのであろうか。人の生命に関することであるからいい加減な決着で済ませるわけには行かないであろう。しかし問題の根本解決を図ろうとするととてつもない時間と責任問題が生じる。結局は一部の民間業者が極悪人にされて幕引きとなるのが目に見えている。
   それにしてもこの偽造問題に関する報道は当分の間続くであろう。その影で多くの悪事がやり過ごされていく。この事件が突如として表面化したことによって、内心喜んでいる連中は大勢いるに違いない。日歯連疑惑はどうなった。酒造組合費の詐欺事件と政治家の癒着疑惑はどうなった。成田空港建設談合については元首相経験者が便宜を図っていた疑惑が急浮上している(28日毎日新聞スクープ)。増税はどうなる。三位一体改革や医療改革はどうなる。米軍再編はどうなる。アジアで孤立する日本はどうなる。
   要するに小泉政権の末期に噴出した諸問題の追及が、この耐震強度疑惑で一時的にせよかき消されているのである。マッチポンプではないのかという感さえする。
   西村議員の逮捕と民主党のノーテンキ
  この見出しは私がつけたものではない。弁護士法違反で逮捕されるらしい西村真吾代議士(民主党)についての11月28日付日刊ゲンダイから見つけた記事の見出しである。その記事はこう書いている。「・・・事件は西村弁護士の法律事務所が舞台であった。法律事務所の職員だった鈴木浩治は弁護士資格がないのに交通事故の示談交渉を行い、報酬を西村サイドと折半にしていた。示談交渉の代理人といえば聞こえはいいが、鈴木は背中に入れ墨を入れたコワモテ。交渉に右翼団体の名前を出して凄んだり、脅しまがいで示談にした事例が捜査当局にはたくさん集まっていた(捜査関係者)。その鈴木が逮捕された時には、西村は『勝手にやっていたこと』と居直っていたが、事務所に家宅捜査が入り鈴木が報酬の半分をピンハネされていたことを自供し始めるや『いかような弁護士会の処分も受ける』と観念した。みっともないのは民主党だ。鳩山幹事長は家宅捜査された時点でも、『党としての対応をとる必要はない』と言っていた。『まったく危機感がない。鈴木の非弁活動が西村の合意によるものであれば西村逮捕もありうる。なのに党執行部は西村の、私を信用してください、という釈明を真に受けているのですから話しになりませんよ』(関係者)。民主党は今頃になって『西村議員に辞職を求める』なんて言い出したが、西村本人は『議員としての職責とは別』と辞職を拒否している。どうしようもない議員とどうしようもない党である。」
  まったく同感だと思ってこの記事を読んだ。
  大阪市長選挙に思う
  ヤミ年金問題を放置した責任を問われていた関大阪市長が、小泉首相の真似をしたのでもなかろうが「信を問う」と出直し選挙をし、そして再出馬して当選した。なんとも不可解な結果である。しかしその結果は予期されていた。対立候補への盛り上がりがまったく見られなかったからだ。市民の関心も当然ながら離れてしまったままの選挙だった。投票率は33.92%という低さだ。
  当選した関候補(自民、公明推薦)の得票は27万8914票、二位の辻恵(元民主党衆院議員)候補、三位の姫野浄(共産党推薦)候補の得票がそれぞれ、18万9193票、16万5874票だったという。関候補の対立候補が一本化されていれば容易に逆転できる数である。選挙のたびにいつも思うことではあるが、どうして自民、公明に支持される候補と、その自公連合に対立する候補が一本化されて出てこないのか。どうして共産党は勝ち目のない自らの候補者にこだわるのか。国民や市民の不満の受け皿になる政党が不在のまま、受け皿になるべき民主党が対決姿勢を示さず、対決姿勢を見せる共産党や社民党がまとまる気配を一向に見せない。狭量な対抗意識や組織の利益を優先させる結果である。国民に顔を向けていない証拠である。こんなことでは憲法改悪や日米軍事同盟の加速化は今の野党にはとても止められない。日本の政治に絶望的にならざるを得ない理由がここにある。
  日本を無視して進む米軍再編の動き
  貴乃花の時の「感動した!」が受けたと見えて、二匹目のドジョウを狙った小泉首相が、「新記録、大記録、見事だ、おめでとう」と叫びテレビを意識して自ら大きな総理大臣杯を朝青龍に渡していた。あさましい姿だ。それを翌日の新聞がまたこぞって取り上げている。
  その一方で、自らがブッシュ大統領に約束した米軍再編についての基地住民への説明を、本来ならば自分が汗を流して説明に走り回るべきところを、部下である額賀防衛庁長官や麻生外務大臣に任せっぱなしだ。
  この問題に関する住民と日本政府の溝は埋まる気配はない。11月26日の毎日新聞は額賀防衛庁長官が全国行脚を28日に終えて、計40人の首長と面会したが地元の反発は予想以上に強かったと報じている。
  驚くべきは米国側の対応である。日本国中が米軍再編問題で分裂させられているというのに、米国はその苦悩を無視するかのように、どんどんと準備を進行させていっている。
  27日のワシントン発共同通信は、米軍再編の焦点のひとつとなっている米軍陸軍司令部の日本への移転について次のように報じている。
 「・・・米政府は移転後も『第一軍団』の名称をそのまま存続させた上で、陸軍だけでなく、空、海軍部隊も統括する『統合作戦能力』を強化した司令部機能をその司令部に持たせる方針だ。米政府関係者が27日までにあきらかにした・・・」
 こんな事を日本政府はまったく日本国民に説明していない。メディアも正しく報じていない。今日本国内では、地元の神奈川県や座間市が米陸軍第一軍団司令部を米ワシントン州からキャンプ座間へ移すことに強く反対している。さらに米軍司令部の日本移転と機能強化がアジアの日米安保条約の極東条項の範囲を逸脱することに日本国内の論議が集中している。ところが米国は、そんな日本の事情には一切関係がないといわんばかりに、どんどんと準備を進めているのだ。
  そんな米国に文句の一言もいわずに、日本国民の説得を官僚や閣僚にまかっせっぱなしにしている小泉首相を我々はどう考えればよいのか。なぜ国民は非難しないのか。
  国民保護法に基づく初の実働訓練
  27日に、政府と福井県が主催して、有事の際に住民を安全に避難・救済するための実働訓練が行われたという。以前に警察庁と防衛庁が共同で訓練をするという企画もあった。その時もつくづく思ったのであるが、こんな訓練が今緊急に必要なのかどうか納税者は良く考えたほうが良い。その経費は我々国民、住民が負担しているのだ。
  単に経費だけの問題ではない。テロに備える言えば皆が納得するといわんばかりであるが、そもそもそんな危険性があるのか。むしろこのような訓練を繰り返すことによって無意識のうちに国民に危機意識を刷り込んでいく。国民のアレルギーをなくしていく。そういう効果がおそろしい。
  それにしてもこんな仕事をしている海上保安庁や自衛隊、警察庁は何と楽なことであろうか。予算と国家権力があるだけでおとなしい住民を意のままに命ずることが出来るのである。訓練を行うのに難しい技術は要らない。
  こんなことことよりも次々と生じる凶悪犯の検挙に全力を傾けるべきだ。国民が納得する日本の安全保障政策を作るべきだ。難しい仕事を後回しにし、簡単な仕事をマスコミに宣伝して大きく見せる。役所仕事の典型である。
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