天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-11-29

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御用学者も匙を投げた?
  24日読売新聞夕刊に掲載されていた靖国問題に関する田中明彦東大教授の論評―小泉首相に「停戦」をお願いしようーについては、続編があった。翌25日の夕刊に掲載されていた(下)の論文を読むと、さすがの田中教授も小泉外交に匙を投げた如くである。
それにしても、御用学者がここまで政府の外交の無能さを書くとはおもしろい。最も、その内容は前回に輪をかけたように、およそ学者が書くような論評とは思えないものであるが。
 「・・・(中国、韓国との間でトップレベルの外交が停止している現状について)この問題の責任は極めてはっきりしている。小泉首相自身の決断によって生起した問題であり、他の何人もこの問題に関して、首相以上に責任を負える立場にない。首相に対して、何とかしてください、と言うしかない・・・
(前回の総選挙で国民は小泉首相に圧倒的な勝利を与えたのであるから)靖国問題による外交悪化の結果も国民にとって自業自得、すくなくとも次の選挙のときまでは甘受するしかないのかもしれない・・・
(しかし日中関係や日韓関係の悪化をなんとかしなければ国民に不利益が生ずるから)首相が首脳レベルの外交が出来ず、外相もたいしたことが出来ないのであれば、国民自らがなんとかするしか仕方がないのであろう・・・郵政民営化を成し遂げた小泉首相は、今度は『外交の民営化』も成し遂げようとしているのかもしれない。そうなったら、外務省もいらなくなるし、政府専用機もいらなくなる・・・」
 真面目な論評とは思えない。もし田中教授が本気でそう思っているのなら、国民の利益を損ねた責任をとってもらおう、有害な仕事をしている小泉首相やそれを諌める事の出来ない政治家、官僚にはこれ以上税金で高給を払い続けるわけにはいかない、と、いっそそこまで書いて欲しかった。
  政府に楯突かない学者のジレンマ
  臆面もなく政府擁護をする学者はまだわかり易い。学者に中に多く見られるのは、政府の政策から距離を置く姿勢を見せながら、それでいて政府の政策を批判する事を避ける物言いをする学者である。
  11月28日の日経新聞「経済教室」に書かれていた添谷芳秀慶応大学教授の「日本外交再生の戦略」などはそれであろう。
  添谷教授は、日本の安全保障を考える時、東アジア共同体という地域主義が安全保障共同体に到達することが究極的な理想であるとし、そのような東アジアに安全保障共同体が出来たあかつきには日米安保体制はそこに吸収されると述べている。
私もこれは理想的な姿であり、日本の目指すべきところであると思う。それはそうであろう。もし中国や北朝鮮という体制の異なる国、仮想敵国とみなされる国が、もし一つの共同安全保障体制の中に入るとすれば、日本の安全保障は格段に高まる。現実には直ちにそのような安全保障体制が実現できることが困難であるとしても、いやしくも平和国家を標榜する日本であれば、それを目指して外交努力を重ねるべきであろう。
  ところがこの東アジア安全保障体制の構築こそ、米国がもっとも警戒するものである。そのような安全保障体制が東アジアに出来上がると、米国の出番はなくなる。アジアにおける米軍駐留の根拠が失われる。
このように、米国が反対する東アジア安保体制の構築に向けて、対米従属の日本がどうして賛成できようか。実際のところ日本外交は、この東アジア安全保障体制を構築するという考えに、一貫して消極的な態度を示してきたのである。まさか米国が反対するから反対だとはいえない。そこで決まり文句のように、「NATOの場合と違ってアジアには国の体制や発展段階に多様性があり、一つの集団安全保障体制をつくるのは困難である」という理屈を持ち出すのである。こんな馬鹿げた理屈があろうか。困難であっても、それが正しければ実現に向けて努力をすればいいだけの話である。はじめから努力する気がないのである。
  この点について、残念ながら添谷教授もやはり腰が引けるのである。彼はこう続ける。
 「(東アジアの)安全保障共同体が成立すれば日米安保は吸収されるが、それは永遠に実現しないかもしれない。その過程で、安全保障への脅威に備え続けることも不可欠である。だから、日本にとって日米関係は重要であり続ける・・・」
  あくまでも米国との同盟関係の信頼性を強化する中で、国際的に通用する平和主義に立脚した、「ミドルパワー」としての日本の外交の自由度を高めるべきと言うのである。なんとも解りにくい主張である。政府に楯突く事を避ける学者の限界である。
 ここまで明らかにされた米国の秘密工作
 少し前に、米国の中央情報局(CIA)が世界の8カ国にテロ容疑者を尋問する秘密収容所を設けているというニュースがワシントン・ポスト紙に掲載されたことがあった。米政府はその存否について確答を避けてきたが、さすがに人権を重視する欧州諸国は追究を緩めない。
29日の日経新聞によれば、独のシュタインマイヤー外相やアイルランドのアハーン外相などが、近く訪問するライス国務長官に説明を求めるという。また欧州連合は外交ルートを通じて公式に説明を求めることを決定したという。
 その同じ日の日経新聞に、こんどは28日発売の米誌タイムスが、ブッシュ政権はCIA工作員を増員すると報じているという記事があった。その記事によると、CIAのゴス長官が、文化や経済担当の大使館員などを装った工作員を増員するとともに、冷戦終結で閉鎖したCIAの活動拠点を再稼動させる計画だ、と伝えたという。
 またブッシュ大統領は、「可能な限り早期に」工作員の数を50%増やすよう命じたという。工作員訓練所は満員状態だとも報じられている。
  本来ならば許されない米国の工作活動がここまで公然と報じられるのである。そんな国と知って尚、日本政府は米国を価値観を最もよく共有した世界最善の同盟国であると、本気で考えるのか。
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