天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2005-12-27

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年末の新聞が象徴する今の日本
 27日の新聞各紙に目を通しながらつくずく思うのであるが、ひょっとしてこの国は制御できない国になってしまったのではないのか。国というもの、国民というものの一体感が全くなくなって、それぞれが自分の生活を守ることで精一杯な国になってしまったのではないか。
 それならそれでもいい。しかしそこに巨大な不平等、不公正が立ちはだかっているのだ。一握りの国民による一般国民の搾取が公然と行われ、固定化しつつあるのだ。それこそがこれからの日本の最大の問題であると思う。
 各紙が防衛施設庁の官製談合を取り上げていた。成田国際空港発注工事の談合と同じ官製談合であると書いている。これらの事件はとっくの昔に報じられてきた話しだ。一向に責任者の処罰というものがない。本当の責任者はいつも不問に付されて終わってしまう。犯罪がそのまま見過ごされているのだ。
 NHKの元プロデユーサーによる詐欺事件の公判で磯野被告は「裏金をつくることが仕事の一つだった。上司から言われていた。逮捕前には、タイかフィリピン、香港に半年ほど逃げろ、金はすべて私的に使ったことにしろといわれた」と述べたという。この種の証言や告発を我々はこの一年どれほど聞かされたことだろう。警察の裏金に始まってどれだけの裏金疑惑がこれまでに報道されてきたことか。いずれも真の責任者の究明と処罰はないままに忘れ去られようとしている。
 麻生外相が松沢神奈川県知事を訪ね、キャンプ座間への司令部移転案の受け入れを求めた際、こう言ったという。「(今回視察して)住宅などに密接して基地があることがわかった。首長の意見を交渉に役立てたい」。はじめて基地が住宅の近くに存在していることを知ったというのだ。そういえばかつての同僚の外務官僚が米軍基地問題を担当させられていたとき、一度も沖縄をおとずれることなく仕事をしていたことを記者に指摘され恥をかいたというエピソードがあった。こんな連中に基地問題の解決などできるはずはない。因みに彼らの親分である小泉首相は陳情に駆けつけた横須賀市会議員の一人に「米海軍には原子力空母しかない。いけいれは仕方がない。理解してもらうしかない」と述べたらしい。親分がこう言ってはじめからやる気がないのである。米側とどう交渉するつもりなのか。米軍再編問題は、政権を倒すか、それとも住民が泣き寝入りするかどちらかしかない。そして住民が泣き寝入りさせられることしか選択はない。
 中川政調会長の次男である中川俊直氏(35)が来年5月の広島市長選挙に出馬するらしい。テレビ東京政治部記者を経て中川政調会長の秘書をつとめてきたという。典型的な癒着構造だ。東広島市は衆院広島4区で中川政調会長の地盤。どんな人間でも当選だろう。そしていずれ国政選挙にでるのだろう。今の政治家を眺めてみるが良い。世襲によるこの国の政治の簒奪がどんどんと進んでいる。
 伊藤元国土庁長官の政治団体が5900万円の寄附を裏金処理していたという記事が大きく載っている。医師会の政治献金からはじまっておよそ政治家の裏金疑惑が報じられない日はない。しかしどれもこれも捕まったという話しは聞かない。裏金は犯罪ではないのか。それだったらいちいちニュースにするな。犯罪である疑いがあるが証拠がつかめないから不問に付されるのか。それなら証拠を探して白黒をつけろ。
 北朝鮮との拉致交渉から帰ってきた外務官僚の斎木審議官が拉致被害者の家族を訪れ報告をしたという。その際、「拉致のことばかりいうなら交渉をやる意味がない」と批判した北朝鮮の局長に、「あなた方がそういうなら我々も意味がない」といって大使館に引き上げたことを明らかにしたという。それに対して北朝鮮が歩み寄ってきたので交渉を再開したという。こんなことをメディアを通じて一斉に宣伝して何の意味があるのか。もう国民の目を欺くことはいい加減にやめたほうがいい。そもそも拉致問題は解決済みだとふざけたことを繰り返す北朝鮮に無理やり頼み込んで交渉をしてもらっているのは日本側である。しかも解決するめどが全く立たないまま何回無駄な話し合いを続けてきたことか。そもそも拉致問題の解決なしには国交正常化交渉はないというが、何をもって拉致問題が解決したというつもりか。拉致被害にあったと認定されている何百人全員の安否を確認し生存者全員を帰国させることが拉致問題の解決ならば北朝鮮はそれに応じることは100%ない。これは日本政府も知っているはずだ。もし北朝鮮が少しでもあたらしい譲歩をすることをもって前進であると強調し、あとは継続審議にして国交正常化を進めるシナリオであれば、それは詐欺だ。拉致被害者家族への壮大な裏切りである。一体どっちなんだ。
 官僚という権力の中枢に身を置いてきた自分が、突然んその組織を離れ一般市民の中に飛び込んだとき、真っ先に感じたのは、国家権力の強さとその埒外にある人間の無力さである。同じ人間でありながら、そして同じ程度の能力しかない人間が、権力を持つことによってここまで好き勝手が出来る、国民のためになる事を何一つしない、出来ないくせに責任を一切取ることなく報酬を貰い続ける、その一方で権力を持たないものがここまで無視され、搾取される日本、そしてこの不平等、不公平、不正な状態について、メディアがまったく取り上げない。あたかも権力者と友達関係になって国民を騙す役割の一端を担う、こんな権力者のおごりが小泉首相の5年間で一気に進んでしまった感がする。
 この国が制御できない国になりつつあると私が思うゆえんである。
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