天木直人の公式ブログ

【バックナンバー】2006-01-29

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これは国家的なインサイダー事件だ
 ライブドア騒動を巡る一連の報道を見ながらつくづく思う。問題の本質がまったく触れられていないのだ。それは意図的な焦点隠しなのか、それとも本質を見抜けないだけなのか。
 今度の事件でもっとも究明されなければならない点は、突然の東京地検による強制捜査からはじまった株式市場の一連の乱高下の裏で、誰が損をして、誰が儲けたかという点だ。
 マスコミや国会論議では、「金がすべての風潮をつくったのは誰か」とか、「小泉構造改革の化けの皮が剥がれた」とか、「競争社会の成れの果て」だとか、「株式市場の健全化が必要である」とか、当たり前のような評論の洪水である。しかしそのような議論は、まったくピントはずれである。
 そもそも株売買は本質的に投機である。あのケインズがいみじくも言った通り、「株式投資は美人投票」なのだ。その好みはこよなく主観的だ。業績がいい会社の株がどうの、実態のない会社の株が不当に高くなっているなど、 そんな講釈は意味がない。個人投資家にとって、儲けさせてくれる株がいい株であって、損させられた株の会社はバカヤローなのだ。
 少しでも株をやったことのある者ならば、最も確実で、手っ取り早く儲ける方法がインサイダー情報をいちはやく掴む事であることを知っている。そして何がインサイダーであるかは、きわめてあいまいであることも知っている。
 東京地検が踏み込むタイミングを、ニュースで一般投資家が知るまえに一瞬でもはやく知っている者がいたとしよう。その男はその前に株を売ってキャッシュポジションを高めておいて、暴落を待ってすかさず買う。これで大もうけをした連中がいるはずだ。その一方で大慌てをして狼狽売りし、なけなしの金をはたいてなき寝入りしたおびただしい素人投資家がいるはずだ。
 ライブドアがつぶれるかどうかが一般投機家の最大の関心事になっている。もしつぶれる事はないとわかっていたら、つまりライブドアの株が紙くずにならないとわかっている者がいたとしたらどうだろう。そいつは有り金をはたいて買い占めるだろう。必ずいつか急騰することになるからだ。
ライブドアがつぶれて困るのは、勿論貧しい一般の小口投資家である。しかしライブドアの株を大量に保有しているフジテレビや、株式混乱が波及して損をするその他の企業、その混乱の原因をつくったと非難される東京地検、さらには小泉政権の政治責任など、ようするにこれ以上混乱させたくない連中が山ほどいる。そういう連中は混乱をはやく防ぎとめたいに違いない。
平松を持ち上げてライブドアは立派な会社になりましたと強調することは明らかな作為だ。日枝が買収話しをやたらにメディアに流すのも、ライブドアの株をこれ以上下げない為のアナウンス効果を狙ったものだ。
ライブドアがやっていたような事は、あそこまで酷くないにしても他の多くのIT会社もやっていたに違いないと誰もが憶測している。それでもこれ以上捜査対象になる会社が出てこないとすれば、それはライブドアだけに問題を封じ込めようとする国策捜査のなせる業だ。
そう思っていたら、鳩山由紀夫が北海道の講演で、「奥が深い様相、展開を見せている。投資事業組合に自民党の国会議員が関わっていた可能性が極めて濃くなっている」と口を滑らせた。前原誠司が29日のテレビで、「色々な情報が寄せられている」と実情をしゃべった。
今度の事件をきっかけに、国家ぐるみの壮大なインサイダーが告発されなければ嘘だ。武部の息子が堀江と友人だという。竹中のもとにどれだけの情報があつまるか容易に想像できる。国策捜査はすべて時の政権のお墨付きがなければ出来っこない。こんどのライブドア事件を巡る一連の動きのなかで、どれだけ多くのインサイダー情報が、政権中枢とそのまわりで動く政治家、財界、メディアの間で飛び交っていることか。それを全く知らない一般投資家が、雲を掴む状態で危険な株取引を行って損をさせられていることか。
かつてリクルート事件が世の中を震撼させた。政権を倒した。その時代から比べると株の世界ははるかに巨大になり、巧妙になった。一般投資家の数も増えた。国家的インサイダーが深く、広く進行していると私は確信している。
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