天木直人の公式ブログ

閑話休題

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 閑話休題
 日々思うところは多いがその思いを整理して文章で表現するとなるとエネルギーがいる。書いたものは後に残る。誰からも揚げ足を取られないように書こうとすると事実関係や認識に誤りがあってはならないと調べたりするから更に時間がかかる。このブログを毎日書き続けることは、好きではじめたとはいえ結構大変なことだ。しかしどうしても書きたい衝動に駆られる。そこで、英文を省き、できるだけ簡潔に思いをぶつける場として考えたのが「閑話休題」である。
 給食費未納報道を考える
 最初に報道されたのは確か1月25日の新聞だったと思う。とくに読売、毎日は一面トップに大きく報じた。
 これは文部科学省の実態調査の報告に基づいたニュースである。政府官報のニュースだ。なぜこれほどまでに大きな報道になるのか。それは「払えるのに払わない親」を強調したかった政府の思惑にマスコミが加担した為ではなかったか。そうでなかったとしても政府発表を鵜呑みにして報道し、結果的に政府広報に加担することになったのではないか。
 確かに高級車を乗り回し、ぜいたく品購入やギャンブルに金を使っている親が給食費を払わないというのでは話にならない。私もこのニュースを最初の新聞で知った時、最近の親はどうしようもないなあという印象を持った。しかし本当にそんな親ばかりなのか。
 不払いの理由として「保護者の責任感や規範意識の欠如」と答えた学校が60%にも達したというのは、あくまでも文部科学省の調査に答えた学校側の答えである。そこには親の言い分はない。しかもその学校側の答えでさえ、「保護者の経済的問題」と答えた学校が33%もあった。
 その後の報道を注意深く読み、聞きながら、やがてどこかおかしいと感じ始めた。テレビで流される一般庶民の反応は皆親が悪いというものばかりだ。新聞の社説も「払えるのに払わない」無責任さばかりを論じている。テレビのコメンテーターに至っては「わずか月額数千円(正確には小学校で3900円、中学校で4500円ほどらしい)の事だろう。いい加減にしてくれ」などという発言をしている者もいた。この額は、与太話をして何十万円ももらっているコメンテーターにははした金かもしれないが、生活困窮者にとっては大変な負担である。その痛みをわからない者たちがこの国を動かしている。
 給食費未納額は約22億円という。未納者は全体の1%であるということだから全額を政府が負担すれば約2200億円。これは財政赤字に悩む政府にとっては大きな額かも知れない。しかしイージス艦一隻の値段である。米軍海兵隊のグアム移転費3兆円に比べるとどうだ。官僚が無駄遣いの財源としている特別会計何百兆円の無駄遣いと比べるとどうだ。
 給食費が払えないが故に悲しい思いをしている国民は確かにいる。その為に予算を工面する、それが政治ではないのか。罰則を決めて強制的に取り立てればよいというのは官僚の安易な解決法だ。その役人根性を叩きつぶすのが政治家のすることではないのか。メディアの役割ではないのか。
 施政方針演説のウソ
 先日のブログで施政演説方針の虚について書いた。ここではその一例として外交部分を考える。
 安倍首相は「主張する外交」というキャッチフレーズを掲げ、外交部分の冒頭で「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々との連携を強化」すると述べ、その代表国である米国との軍事同盟強化を「世界とアジアのため」であるとし、「わが国外交の要」と位置づけている。
 「価値観を共有する日米両国」という言葉は、私が外務省にいた三十数年間、世の中の情勢の変化に関係なく、いつも真っ先に使い続けられてきた決まり文句である。しかし官僚はその米国がどういう国であるかについて殆ど無知である。米国政府の方針の変化を直視することなく「日米両国は価値を共有している」といい続けてきたのだ。
 しかし今のブッシュ政権の米国は何をしているか。グアンタナモ収容所で行われてきた拷問が一つの映画「グアンタナモ、僕たちが見た真実」を契機にふたたび問題となりつつある。「お父さん、お母さん、もうすぐ帰れると思います。私は何も悪い事をしていないからです」そう手紙を書いたアフガニスタンの青年が米軍の拷問に苦しめられながら収容され続けている。米連邦最高裁で違憲判決が出され、国連人権委員会も基地閉鎖を求めたにもかかわらず、米国は従わない。その米国の非人道的兵器開発はとどまるところを知らない。1月25日の英紙ザ・ガーディアンはマイクロ波を照射して一度に大量の兵士を麻痺させる兵器を米軍が開発したと報道した。ついにブッシュ政権は内外の批判に耳を傾けることなくイラン攻撃までも行おうとしている。ブッシュ大統領は「イラクで反米・反政府活動に加担したイラン工作員は拘束するだけでなく殺害も辞さない」という方針を打ち出し、イランはこれに対し「イラン人が殺されれば、イラン人は米国人を殺害する」と応酬する。これはもう戦争が始まっているようなものだ。
 このような米国がどうして日本と価値観を共有する国か。法の支配の国か。その米国との軍事同盟を強化する事がどうして「世界の平和に貢献する」ことになるのか。
 外務官僚は米国の現実を見ようともしない。勉強もしない。情報を得る努力もしない。私がそうであったように日々の仕事をソツなくこなす事で精一杯なのだ。日本のこと、国民のことなどを考えている余裕はない。そんな事をしていると出世競争に取り残されるのだ。
 組織を離れた私は、はじめて目の前が開かれた。物事の真偽が見えてきた。人間として解放されたのだ。失うものは大きかったがそれを補ってあまりある貴重なものを手に入れた。自立だ。
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