天木直人の公式ブログ

慰安婦問題で米国メディアに謝罪した安倍首相の迷走ぶり

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慰安婦問題で米国メディアに謝罪した安倍首相の迷走ぶり
 今回の安倍首相の訪米ほど盛り上がらないものはない。訪米直前であると言うのに新聞もほとんど報じていない。報じる内容が無いのだ。一体何のための訪米なのか。
 22日の日経新聞は一面でアフガンへの復興について首脳会談で資金協力を表明すると報じた。これには驚いた。自衛隊の海外派遣を本来業務にしたばかりの安倍首相は、米国やNATOの要望する自衛隊のアフガン派遣を断りつもりだとすでに報道された。こんどの報道でいつものように資金協力だけで済まそうとしている事がわかったのだ。130億ドルもの資金協力をしたにもかかわらず評価されなかった湾岸戦争のトラウマは一体何だったのか。そのトラウマの反省から自衛隊の海外派遣の実現を急いだのではなかったのか。いくら憲法を変えても危ないところには自衛隊は出さないのだ。だったら何故憲法を変えようとするのか。
 日経新聞はまた日米間の自由貿易協定(FTA)も話題に上る可能性があるという。これもおかしな話だ。4月はじめに米国と韓国が自由貿易協定を締結した時は、同じ農業問題を抱える日本は衝撃を受けた。貿易立国の日本こそ自由貿易協定の先頭に立たなければならないのにこれでは取り残されると多くの識者が警鐘を鳴らしている。それにも関わらず無策な農業政策のゆえに日本は動きが取れない。農水省と経済産業省にはさまれて主導権を持たない外務省は「安易に動かないのも一つの方法」(外務省幹部―4月21日日経新聞)などととぼけた事を行っている。そんな日本が首脳会談で日米自由貿易協定の話を喜んでするはずはない。その他にも牛肉輸入再開や郵政民営化後の米国保険・金融業界の日本市場参入など、米国に攻められる問題ばかりだ。日本にとっていい事は一つもない訪米である。
 そう思っていたら、安倍首相が従軍慰安婦問題で米国のメディアに謝罪したというニュースが飛び込んできた。今度の訪米の隠れた議題がこの慰安婦問題である。安倍首相にとって最大の頭痛のタネであった従軍慰安婦問題について沈静化の駄目押しを図ろうとしたのだ。
 私は3月9日のブログで、慰安婦問題は米国政府関係者が「軍の強制は無かった」という安倍発言を擁護できないと言った時点で勝負がついたと書いた。その通りになった。日本の立場を正しく説明しに行くと息巻いていた保守・強硬議員の訪米も結局米国を逆なですると言う事で停止に追い込まれている。
 それにしても安倍首相のインタビューの発言は全面降伏だ。英文を読むとよくわかる。
 I need to apologize…Japan bears responsibility…We feel responsibility for having forced these women…
 安倍首相のこの発言は河野談話以上に強い調子で慰安婦問題を認め、謝罪している。対米追従、事なかれ主義の外務官僚の言うなりになったということだ。安倍首相に信念というものはあるのか。それは容易に曲げられる信念なのか。それとも日米同盟重視という信念がすべての信念に優先するということか。
 これほどの大事件にもかかわらず日本のメディアがほとんど取り上げていないことは不思議だ。17日に首相官邸で取材に応じているにもかかわらずその事実すら報道されていなかった。まるで申し合わせたように隠していたかのようだ。そして21日の米国メディア(ニューズウィーク、ウールストリートジャーナル)を通じて我々は初めて知ることになる。米国のメディアの報道を日本のメディアが後追いで報道している。よほど都合の悪いことだったと見える。「慰安婦問題など存在しなかった」などと強硬な発言を繰り返していた国会議員や保守・愛国主義者はこの報道を見てどう反応するのだろう。安倍首相のこの無定見、無節操、対米従属ぶりに怒らなければすべては八百長だったということだ。
 それよりも、なによりも我々国民にとって許せないのは、日本国民やアジア諸国に対しては強硬姿勢を貫きながら、米国のメディアを通じ米国に対して謝罪したという事実だ。一体これは何なんだ。


PM Abe Apologized on the Comfort Women Issue to US media、 not Japanese and Asian people
 What is the merit of PM Abe’s visit to US for Japan this time? As far as Japanese media reported so far the agenda of the summit meeting are as follows;
 Follow up of 6 parties negotiation on North Korea
 Afghanistan, Iraq issues
 US- Japan FTA
 BSE affected US beef issue
 Free entry of US insurance companies to a Japanese market
 Japanese cooperation with US War on Terror
 etc.
 It seems as if US President demands and Japanese Prime Minister concedes.
 But the most difficult hidden agenda is how PM Abe evades the mounting criticism against PM Abe’s remark about the Comfort Women Issue. PM Abe once said that there didn’t exist so –called forced comfort women and this remark infuriated the US Congress.
 All of sudden Japanese people knew through US media, Newsweek and Wall Street Journal of 21 April that PM Abe apologized for his remark admitting the existence of forced comfort women. It is so obvious why PM Abe made such remark in the interview with US media. He wants his first official visit to US without troubles. He attaches the most importance to his successful visit to US putting aside his political belief and betraying his colleagues insisting there is no comfort women's issue. It is interesting to watch how the repercussion of this PM Abe's remark among Japanese people.
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  1. 殊勝なポーズに騙されるな!〜安倍晋三の「慰安婦」認識〜

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