天木直人の公式ブログ

私はあなただ、あなたは私だ④

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復興支援という名の金のバラ撒き
  最近の外務省幹部たちは、やるべき仕事がなく手持ちぶさたにしているに違いない。こういうと読者は怪訝な顔をするかもしれない。重要な外交案件が山積しているではないかと。それはその通りである。しかしそれらの一つ一つが行き詰まっている。解決する知恵も外交力もない。それでもメディアが騒いでくれているうちはまだいい。メディアの注目をあびるうちはそれで仕事をしていると錯覚できる。国民もそう思って外務省の仕事振りを報道してくれるからである。しかしそれもなくなった。プレスに注目されなくなるととたんに外務省の仕事が見えなくなってくる。寂しがって「プレスが書いてくれる事を考えなければならい」となるのである。これは私が外務省にいた時の体験から話していることだ。
  具体的例を示そう。北朝鮮を巡る北朝鮮問題である。靖国問題を巡る日中関係の問題である。かつての国連安保理加盟問題である。普天間基地移設問題である。そのいずれもが連日のニュースで流れる日がかつてはあった。ところが今ではニュースにならなくなった。六カ国協議は完全に米朝の問題に移ってしまった。小泉前首相の手で破壊された日中関係はとりあえず収まった。国連安保理改革は凍結された。米軍再編問題はもはや交渉する話ではなくなった。あとは防衛省が実施するだけである。いずれも我々の生活になんのプラスももたらさない状況であるのに、メディアの監視対象外に置かれて忘れ去られていく。
  外務省の当面の仕事は6月の主要国首脳会議である。しかしこれがまた中身のない政治ショーになってしまっている。しかも今回のサミットの主要議題は環境問題、国際金融問題、自由貿易協定などであり外務省の権限の及ばないものばかりである。まったく出番がないのだ。
  そこで外務省はいつもの手を使う。つまり援助だ。これは手っ取り早い。誰も文句を言わない。外務省だけで勝手に決められる。受け取るほうは決して文句は言わない。そういう訳で、5月28日の産経新聞一面にパキスタンのアフガン国境地域開発に数十億円の支援を行なうという記事がのることになる。麻生外相が5月30日にドイツで開かれるG-8外相会議で表明するという。外務省が産経新聞に意図的にスクープさせて書かせたのだ。宣伝させたのだ。
  その裏にはさらにまた次のような事情がある。アフガンは反米テロ勢力が猛烈な勢いで巻き返している。混乱の極みだ。本来は自衛隊の派遣によって治安確保に向けた協力をしなければならないところを、さすがに自衛隊に危害が及ぶため、再三にわたるNATO、米国の要望にも関わらず断わり続けている。その代わり、援助資金だけはバラまくというわけだ。それを麻生外相のサミットへの手土産にしようとしているのだ。
  しかしこれはあまりにも安易なやっつけ仕事だ。パキスタンとアフガンの国境はイスラム原理主義勢力タリバンの拠点であり毎日のようにアフガニスタン越境テロが繰り返されている。開発計画を支援し、タリバン浸透の芽を摘むのが狙いであると、まことしやかな理由をつけているが、血税の無駄遣いである。かつて私が経済援助の担当をしていた時、援助が紛争地域には決して行なわない、行なえない、という大原則があった。それはそうだろう。紛争地域に援助したところですぐに破壊されるであろうし、そもそも紛争地域への援助資金の供与は政治目的に使われる事が明らかであったからだ。効率的な援助を確保できる状況にはないからである。そもそも紛争の一方に援助するということは紛争に関与する事になる。
 それが今では日本の援助政策はすっかりゆがんでしまった。開発計画も不明なままに、ただただ金をばら撒いて、戦争への協力要請を金の力でかわすためだけの援助である。それを復興援助と詐称しているのだ。パレスチナに対する援助もサマワの人道援助もすべてはそれだった。もっとも筋の悪い援助資金の使い方だ。その血税を正しい人道援助に使うならば、どれだけ多くの関係者が喜ぶか計り知れないのに。
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 安保(軍事)関係者の暴走が知らない間に進んでいる恐ろしさ
 
  5月28日の東京新聞「新防人考」という記事は、9・11の同時多発テロ直後の自衛隊の行動の実情について、懸念を持って次のように振り返っていた。
・・・「海上自衛隊はいかなる支援も惜しまない」、「ありがとう、感謝する」。米中枢同時テロ直後の2001年9月11日深夜。石川亨海上幕僚長(当時)は、在日米海軍のチャップリン司令官(当時)に電話をかけた。支援は直ちに実行された・・・(その法的)根拠は防衛庁設置法の「調査・研究」。だが自衛隊の任務は日本防衛にある・・・米空母護衛は憲法9条で禁じた集団的自衛権行使に触れかねないきわどさがあった。実施前防衛庁内の会議は紛糾した。「根拠があいまいすぎる」と渋る背広組みの内局を、海幕が「日米同盟が崩壊してもいいのか」と説き伏せた。海上自衛隊は自衛隊の中で一番米国との関係が深い。『旧日本海軍の末裔』を公言する彼らは独立心が強く、日米同盟を支えているとの強烈な自負がある・・・しかし米空母護衛には誤算があった。首相官邸が「聞いていない」と不快感を示し、自民党内から「海自は調子に乗っている」との批判が上がったからだ・・・
  同時テロから8日後、小泉首相(当時)は7項目の緊急対応措置を公表した。この中に「米軍等への補給支援」があった。実は同じ項目は、海幕が独自にまとめた「海上自衛隊による支援策」にも書かれていた・・・当時防衛庁内局は小泉首相が示した7項目を全く知らなかった。対米支援に腐心する外務省が内局に相談することなく、たたき台をつくったからだ。「内局の考えた支援策は米国民避難のための政府専用機派遣。そんなニーズは米国にはない。だめだと思った」と元海幕幹部は振り返る。制服組はひそかに外務省と連絡をとりあっていた・・・
  01年11月9日、インド洋へ向けて海自艦艇三隻が日本を出発した。テロ特措法は国会審議中だったため派遣の根拠法は空母護衛と同じ、防衛庁設置法の「調査・研究」。違ったのは官邸がゴーサインを出していたことである。「海幕は裏工作をしている」。このとき内局に生まれた疑心暗鬼は今も消えず、澱のように沈んでいる・・・
 この記事は実に深刻で重大な日本の安全保障政策の実情を教えてくれている。それはシビリアンコントロールの崩壊である。防衛を任されている組織(軍隊組織)の内部分裂である。政府内部(外務省と防衛省)の権限争いである。これらはまさしく日本が太平洋戦争に突入して行った時の状況とそっくりである。しかも日本の対米軍事協力は当時(01年)に比べ遥かに広く、深く進展している。我々の知らないところでとんでもない対米戦時協力が一部の政府関係者の主導で進められているに違いない。それを政治が放任しているのだ。手遅れになる前に国民の手で自衛隊(軍隊)の暴走を止めなければならない。対米従属を優先し自衛隊(軍部)の暴走に加担する外務省の卑劣さを糾弾しなければならない。東京新聞のこの記事をきっかけにメディアがどんどんと我々に情報公開しなければならないのだ。
  
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