天木直人の公式ブログ

小沢一郎と日米関係

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 小田実の言葉
 小田実が死んだ。そう気安く書くほど私は小田の事を知っているわけではない。それどころか一面識もない。私が「小田を知っている」というのは、わずかばかりの彼の著作や新聞記事から伺う小田の言葉だけである。それは「知っている」というにはあまりにもおこがましいほどの係わり合いである。しかし人間同士の係わり合いは、どのようなものであってもこよなく個人的なものだ。ましてやあっという間の短い人生を生きている人間同士である。一言の言葉さえもそれが琴線に触れたなら十分な係わり合いである。勝手にそう言わせてもらう。
 私が小田実に関心を持ったのは、「何でも見てやろう」(河出書房新社)を読んだからではない。仕事を休職して入院していた時に手にした、「生きつづける」ということ(筑摩書房)という本であった。「・・・問題は生きるということより生きつづけるということではないか・・・私は生きがいを求めないだろう。生きがいを求める生き方とはちがったところに、わたしの生きつづけるということの基本をおこうとするだろう・・・」という小田の言葉は当時の私の心を奇妙に捕らえた。
 以来小田は気になる存在であった。生来の市民運動家であった小田は、権力の中に身を置いて一切の無駄を嫌った私という官僚とは、およそ対極的な生き方をした人間であったと思う。それでも私は小田の言動になぜか惹かれた。
 その小田が、その最後の著作と思われる「中流の復興」(NHK出版、生活人新書)のなかで放つ言葉の数々は、官僚を離れて自由になった私の心に今まで以上に強く響く。その中で小田は、「・・・抗議のデモ行進をすることもストライキをすることも、決して異常なことではない。民主主義の先進国としての西洋諸国に存在し、機能している主権在民の政治である・・・」と言い切って、ブレア政権のイラク派兵に反対して「市民よ、反対のデモ行進に立ち上がれ」と檄を飛ばしたロンドン市長の事を引用していた。今では誰もイラク戦争の事を語らなくなったが、このロンドン市長の事を私は鮮やかに思い出す。
 その小田の言葉をまた見つけた。7月31日付の読売新聞で、尾崎真理子記者が追悼記事を書いていた。その中で小田の次の言葉が紹介されている。「・・・銃社会のアメリカでは、野蛮さを秘めて自由と民主主義が成立している部分がある。しかし日本では民主主義と自由と、それからもう一つ、平和主義がある・・・戦後9割が中流だと自覚している時代が長く続いたでしょう?あの感覚が日本の民主主義を支えてきた。格差社会になるのは危険なんです・・・」
 このうえない平和主義者であり、反権力者であった小田の冥福を心から祈りたい。
 
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小沢一郎と日米関係

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 小沢一郎と日米関係
  テロ特措法の延長に反対するという小沢発言の行方に私は注目している。私はこの小沢発言が、ただちに日本外交の転換につながっていくとは期待していない。それでも近年にない注目すべき発言であると思う。願わくば新しい日米関係を築いてもらいたいとかすかな期待を抱くのだ。
  この発言を、問題意識をもって取り上げていたのは8月2日の産経新聞と朝日新聞であった。産経新聞は、スノー米大統領報道官が7月31日の記者会見で、テロ特措法の延長について期待感を表明したこと、シーファー駐日大使が1日付の英紙ファイナンシャル・タイムズとのインタビューで、早急に小沢氏と会談し、延長に反対しないよう説得する考えを示したこと、更に米シンクタンクAEIのマイケル・オースリン研究員が産経新聞とのインタビューで「(延長されなかった場合、)日米関係に厄介な影響をもたらすことになる」と語ったこと、などを報じている。
  一方、朝日新聞は、シーファー駐日大使が1日、小沢氏に面会を申し入れたが、小沢氏は「会う必要はない」と断り、当面会うつもりはないようだと報じ、そして、断った理由のひとつとして、05年4月に駐日大使として着任して以来小沢氏とシーファー大使は一面識もないこと、ブッシュ共和党政権と小沢民主党との関係が疎遠であることが考えられると書いている。
  シーファー大使はブッシュ大統領の盟友として、ブッシュ大統領の要求を日本に飲ませる為だけに働いてきた人物だ。幅広い日米友好関係の構築などははじめから彼の念頭にはなかった。そのシーファー大使が小泉前首相だけを相手に仕事をしてきた事を小沢は知っている。そしてそのブッシュ大統領の政治生命は終わろうとしている。次期大統領選挙の最大のイシューはイラクからの米軍撤退であり、次期大統領は民主党の大統領となる可能性が高い。小沢氏がシーファー大使の会談要請を断った理由は、そういう判断もあるのだろう。
  しかし私は小沢氏がシーファー大使との面談を断った事を残念に思う。小泉前首相は対米従属外交に終始し、ブッシュ大統領を喜ばす為だけの理由で自衛隊をイラクに派遣した。この誤りを正す為にも、小沢氏はシーファー大使に会って、イラク特措法の延長に反対する理由を正しく説明すべきなのだ。
9月中旬に提出されるブッシュ政権の報告書を経て、来年3月には米軍はイラクから撤退するというのが、米国議会筋の大方の見方である。これは米国議会政治に精通している者の間の常識でさえある。だからこそシーファー大使と会って延長する必要がないことを説明すべきなのだ。シーファー大使は反駁できないはずだ。
  憲法9条を守ることばかりが叫ばれる。改憲阻止がすべてのように語られる。しかし本当に困難な事は、戦後62年続いてきた従属的な日米軍事同盟関係を見直すことだ。在日米軍を縮小、撤廃する事だ。なぜならばこの日米軍事同盟関係こそ憲法9条と正面から矛盾するものであるからだ。そして日本の国防とは何の関係もない「テロとの戦い」に米軍がその安全保障政策を大きく転換しようとしている今こそ、これまでの対米従属の日米軍事同盟関係を根本的に見直すチャンスであるのだ。冷戦が終わった時に見直すチャンスを失った我々は、今こそこのチャンスを捉えなければならない。最後のチャンスかもしれない。
  憲法9条の改憲が阻止されたとしても、日米軍事同盟関係が先行して強化、深化されれば何もならない。護憲、平和論者は、この事実にもっと注目しなければならない。この事こそ私が一貫して強調してきたところである。そしてまた、対米従属の日米軍事同盟の見直しこそ戦後の政治家が誰一人としてなし得なかった事である。
  ここで読者の皆さんに究極の質問を投げかけたい。護憲勢力が一つに結集して大きな政治勢力となり、自民党、民主党の二大保守政党のいずれが政権を取ろうとも、対米追従外交を改めさせて憲法9条を守る平和外交を実現させることの出来る可能性と、政界再編によって保守政権の中から対米従属一辺倒の日米軍事同盟を見直そうとする保守政権が誕生する可能性と、果たしてどちらがより可能性が高いだろうか。もちろん現時点ではいずれの可能性も極めて低い。しかし基地なき日本という見果てぬ夢をかなえてくれる政権や政治家が出てくるとすれば、それは護憲勢力の結集からではなくて、政権政党の中から出てくるしかないと私は思う。
  そのような政治家はこの国には永久に出てこないのであろうか。対米従属によって日本を破滅させた小泉前首相に対峙する小沢氏が目指すところは、石橋湛山か宇都宮徳馬ではないのか。シーファー駐日大使との面談を断ったというニュースから、私の想像はたくましく膨れ上がって行ったのであった。
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