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地に落ちたブッシュの米国

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 地に落ちたブッシュの米国
 ブッシュ大統領が22日にカンサスシティーで行った演説が、今日(24日)の各紙に一斉に報じられている。朝日の記事が一番詳しい。原文を確認していないが朝日の要訳を見る限り相当なものだ。
 「・・・ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。
    アルカイダや9・11テロではない。パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ・・・」
  この言葉から始まる日本への言及部分は、粗雑かつ一方的な歴史観に基づいた物言いである。いくら退役軍人を前にした演説であるといっても、世界が聞いている。
  ブッシュはこれまでにも、イラク戦争をはじめとした「民主化のための戦い」に米国は必ず勝利すると繰り返し強調してきた。そしてその際に必ず「かつての敵国日本が今では米国の同盟国となった」と付け加えていた。しかし今回の日本への言及は、日本の軍国主義をイスラム過激派と同列に置いている点で、はるかに刺激的だ。
  もっとも、ブッシュを「正しい」と言ってイラク戦争に加担した盟友小泉前首相は、「米国が日本を軍国主義から解放してくれた」と感謝の発言をした。それを許した日本国民であるから、このブッシュの演説も驚くには及ばないという事かもしれない。
  私が「ブッシュの米国は地に落ちた」と思ったのは、このブッシュ演説を知ったからではない。同じ日の24日の毎日新聞に、政府批判の抗議行動を行う市民を取り締まる機密マニュアルをホワイトハウスが作成していたと言う記事があった。22日の米紙ワシントンポストに掲載された記事を毎日新聞の記者が注目して記事にしたのだ。
  記事の要旨は次の通りである。すなわち04年7月に「ブッシュを憎悪する」と書かれたTシャツを着て逮捕された男女が国家賠償の訴訟を起こしていたのだが、その訴訟の過程で、ホワイトハウス側が機密文書である「大統領事前マニュアル」を裁判に提出した。その結果明るみになった。
  マニュアルによると、
 ①現場で大統領支持者のボランテア組織(抗議対策部隊)をつくり、抗議活動を起こしそうな市民をチェックする。
  ②会場をくまなく「散策」し、横断幕などを持っていないか、大統領批判のTシャツを着ていないかなど、報告する。
  ③抗議活動があった場合、メディア席と抗議団体の間に割って入り、報道陣から見えなくさせる
  ④(抗議団体から)不満の声があがった時は、『USA!USA!』と叫びメディアのマイクに抗議の声が拾われないようかき消す。
  ⑤最終手段として警備員が排除する。
  9・11以降の米国は確かに民主主義を放棄した。盗聴有り、拷問有り、逮捕状なき拘束ありと何でもありだ。そしてこのマニュアルである。驚いたのはこのマニュアルをつくるきっかけになったのが、「抗議の横断幕など見たくない」と叫んだブッシュの一言だったという。ブッシュの米国は確かに地に落ちた。日本と言う国がその米国に続かない事を願うばかりである。
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