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テロ特措法延長問題の行方ー読者からの反応に答えたい

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 テロ特措法延長問題の行方―読者からの反応に答えたい
 テロ特措法延長問題については、既に繰返して述べているように、このブログでこれからも折に触れて書いていく。様々な状況の変化によりこの論点はどんどんと動いていくであろう。政局と絡んで問題の焦点も多様化して行くことすらありうる。だから最後の落としどころが決まるまで書き続けていく。目が離せない大きな問題だ。
 今日のブログでは、23日のブログで書いた「小沢代表に対する私の助言」について、あらためて私の意図するところを書く。あのブログの趣旨を正しく理解してくれた読者が多かった反面、何人かの読者から「あの助言には賛成できない」という意見が寄せられた。私がテロ特措法延長を助言することは到底理解できないというのである。残念ながらそのような読者は日米関係に対する私の考えを正しく理解していない。
 冒頭で述べたように、私はテロ特措法には最初から反対である。だから延長も反対である。しかしより重要な事は、この問題をきっかけに、わが国の外交の基本政策が、国民の多数の理解と賛同を得て、日米軍事同盟一辺倒から、憲法9条を世界に向けて高らかに掲げた平和外交へと転換されていかなければいけない、それを夢物語ではなく現実のものにして行かないと日本の将来はない、という事である。米国が終わりのない「テロとの戦い」を唱えだした事は、健全な日米関係の構築にとって千載一遇のチャンスであり、このチャンスを生かすには周到な戦略が必要であるということである。
 その観点から見れば、小沢発言はいかにも唐突であり、また日米軍事同盟を自主・平和外交に大転換する覚悟が小沢代表にあるのかどうかも不明である。その事は日米同盟関係を重視してきたこれまでの小沢代表の言動から見るとなおさらである。更に言えば護憲政党の反応は鈍く、また一般国民の意見も分れている。
 そのような中で、小沢代表だけが突出してテロ延長特措法反対を叫び続ける事は、この重要な国家の大事が政治がらみで不当に矮小化、疎外かされ、結果として、本来目指すべきところの健全な日米関係の構築が遠のく危険がある。それを危惧するのである。
 イラク特措法の延長は無理をして小沢代表が拒否しなくてもよい。国際情勢はまもなく米国の失敗を決定づけることになる。そしてその米国に追随し、憲法を踏みにじった小泉前首相、安倍現首相の誤りを白日の下に晒すことになる。国民を目覚めさせるには、もはやそこまではっきりと事態を進展させなくては駄目なのである。
  もう一つは米国を甘く見てはいけないと言うことだ。米国は不当な要求をする国だ。正論を唱えてもそれが自らの利益に反するならば受けつけない。一時的にせよ対日関係は悪化する。米国との関係から利益を得ている国民は一時的にせよ不利益を受ける事になる。そこで腰砕けになるようでは対日従属関係はよりひどくなる。固定化するおそれさえあるのだ。それだけは避けなければならない。
 確かに今のブッシュ政権は追い込まれている。しかし米国の政権が共和党から民主党に変われば米国の対日政策が変わると考える事は間違いだ。米国はテロとの戦いについては一致している。イラク戦争の評価を一変するかと言えば決してそうではない。ましてや日米軍事同盟の名の下に日本を従属させ続ける事が米国の国益であると考える点では同じである。だから日本の政治が対米自立に向かう事を決して容認しないであろう。
 その米国が唯一恐れるのは日本国民の覚醒である。自立である。米国はあらゆる手を使って日本国民を眠ったままに置こうとするであろう。日米軍事同盟が日本にとっても利益があると言い続けるだろう。果たして国民は自らの判断でこの呪縛から解放されるであろうか。今はまだその期が熟してはいない。言い換えればテロ特措法の延長問題は、本当は自民党と民主党の政権をかけた政争の問題ではなく、米国と日本国民が日米関係の将来について真剣に向かい合う形で解決されなければならない我々国民の問題なのである。そしてその時期はいまだ熟していない。
 もっとも、寄せられたいくつかの指摘については私もそれを受け入れる。たとえばイラク特措法の延長を認めたからといって、それで米国に恩を売ることにはならないという指摘があった。たしかにその通りだ。米国はそれを当然視するであろうし、たとえ延長が米国にとってありがたい事であったとしても、米国はそれに恩義を感じて見返りをくれるような国ではない。
 また、小沢民主党はあくまでも延長を拒否すればいい。対米配慮を最優先する自公政権に衆議院での三分の二の多数決による再決議をさせればいいのだ。という意見があった。それが確実に見通せるのであれば、それも一つの選択である思う。延長の責任を自公に押し付けるという意味でより戦略的であるかもしれない。
 しかし、そのような指摘はこの問題の本質論ではない。戦後62年間絶対的であった日米軍事同盟関係を、どうしたら変えられるのか。基地なき日本を実現できるのか。その一里塚としてこのテロ特措法延長問題を捉えなければならないのだ。それは憲法9条を守ると言うことよりもはるかに難しいことである。たとえ憲法9条が国民の手で維持されたところで、米軍再編に協力する形で日米同盟関係が維持、拡大されていけば、守られた憲法9条は更に空洞化する。
 一方的に反米を唱える事は容易である。憲法9条を守るだけが目的であればやり方もある。しかし、日米軍事同盟関係を本気で解消出来なければ何も変わらない。そしてその事は戦後最大の課題であるのだ。少なくともこれまでの指導者でこの問題に本気で取り組んだ者はいない。
 果たして小沢代表はそこまでの覚悟があるのか。そこまで小沢代表が考えているのであれば、私はその小沢代表を応援したい。その為の助言である。イラク特措法延長問題は、あくまでも一里塚である。しかし小沢代表の覚悟を見極める重要な一里塚なのである。
 
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