天木直人の公式ブログ

メディアの虚実を見抜く眼力

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 メディアの虚実を見抜く眼力
 普通の人たちが世の中の動きを知る最も手短な方法は報道を通じてである。そしてメディアはその役割を担うものとされている。不偏不党がメディアの使命だ。特定の目的を持った組織が運営している広報用メディアは別として、一般のメディアが最初から最後まで嘘の報道をすることはありえない。メディアの報道は一般的に正しく報道していると見るしかない。
 ところが同時にメディアは嘘を報じる時がある。それは明らかな間違いの場合もあるが、誇張したり、物事の一面しか伝えなかったりする場合もある。そして巧妙に読者を誘導する情報操作的な場合など様々だ。単に販売数を増やす為の興味を煽る嘘報道もある。これから書く事はこのケースである。こういう事が行われているという事を知っておいてもよい。そんな裏話である。
  ニューズウィーク日本版の9月19日号は「東京特派員の告白」という特集記事をその号の目玉記事として載せていた。ジャーナリストのコリン・ジョイスが、イギリスの高級日刊紙「デイリー・テレブラフ」の東京特派員を7年間務めた経験を赤裸々に語っている。
  自分の見たことを理解し伝えることに全力を尽くそう、真実だけを書き送り、悪を暴く事に徹しよう・・・そう決めて東京特派員を始めたジョイスは、本社編集者の命令に従って妥協させられる連続だったという。靖国参拝よりゲイシャ、日朝首脳会談よりロボットやチカン。高齢化社会も三宅島も「面白おかしく書け」と命じてくる。報道の質よりも娯楽性を優先する新聞の一部に自分はなり下がっていたと語る。送った記事が原型をとどめないほど編集者の手で改ざんされそうになったという。
  そのような歪んだ日本の報道が行われる背景の一つは国際社会における日本の地位低下も関係しているとジョイスは言う、「テレグラフで働いた7年間、合計5人の国際部長と仕事をしたが、全員が、日本の記事を書いた事も、日本を訪れた事もなかった・・・これは偶然ではない。東京支局はもう、特派員の出世コースとはみなされていない・・・」
  外国報道が日本を歪めて伝える事がある例を私は個人的に体験している。私が外務省で南アフリカ問題を担当していた課長の頃だ。ロイター通信の記者が私に語った「どんな記事でもいいから日本を批判する記事を送って来い。それが嘘の記事であっても」という命令が来ていると。
  当時日本は南アフリカとの貿易量が多くて国際批判を浴びていた。しかしそれは多分に日本が悪者に仕立て上げられた面があった。欧米諸国はある意味で日本にくらべはるかに南アフリカの白人政権と結びつきが深かった。その批判をそらす為にどこかをヤリ玉に挙げなければならない。それには日本たたきが一番だというわけだ。
  このジョイスの記事で一つだけ救われる思いがした箇所がある。それは、「テロと戦争がひしめく国際面において、もっぱら日本は平和で明るい話題を提供してくれる国であった」という箇所だ。
グローバリズムと言う名の米国化によって日本の社会は変容しつつある。それでもまだ日本は欧米先進国に比べて平和で穏やかな国だ。まさしくこれこそが世界に誇れる日本なのだ。我々はそんな日本を大切にしなければならない。
 
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