天木直人の公式ブログ

佐藤・マクナマラ会談が明かす沖縄返還交渉の原点

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佐藤・マクナマラ会談が明かす沖縄返還交渉の原点
 15日の読売新聞が、14日に外務省が追加公開した沖縄返還交渉関係の外交文書を報道していた。これは一月ほど前に外務省が公開した外交文書が、報道関係者たちから「不十分だ」と抗議され、追加公開を約束したことに基づいたものである。
 その中に、67年11月に訪米した際の、佐藤栄作首相とジョンソン政権下のマクナマラ国防長官との会談記録が含まれ、これについて読売新聞が報道していた。私はこれに注目した。
 おびただしい数の外交文書を読みつくし、その重要性を見極める作業は、それを担当する人間の見識と問題意識に負うところが多い。だからこそ、発表する側の外務省担当者は、公開することが適切かどうかの判断ミスを恐れ、なるべく公表文書を絞ろうとし、読み解く側は、外務省が公開した文書の中から、外務省の担当官が見落とした貴重な極秘情報がないかと、目を皿のようにして読み解くのだ。壮絶な知的バトルである。我々読者は、そのようなバトルの産物としてメディアが報道する記事を、ありがたく読ませてもらって、隠された真実を知り、その意味を更にまた自分の知見で考えるのである。
 読売新聞が掲載しているマクナマラ国防長官の次の言葉は大きな意味を持つ。国会が正常に機能し、護憲勢力がしっかりしていれば、この記事をきっかけに日米外交の虚について大きな論争を挑む事が出来たであろう。なぜ沖縄が今日まで基地問題で苦しまなければならなかったか、その原点がここにあるのだ。
 マクナマラは佐藤に次のように語ったという。
「・・・問題は返還にあるのではなく、米国の基地にある・・・日本が、核の持込を許すのが困難なのは知っているが、自分の安全保障のためと納得すれば合意できよう。核・琉球・安保体制は相関関係にある・・・」
 これに対する佐藤の答えは、「『今の状態では論議するのは早い』と述べ、核や基地の自由使用について議論を避けた」となっている。
 しかし歴史的事実は、核導入も含めた沖縄の自由使用を日本が認めない限り、沖縄返還を米国が認める事はありえなかったのだ。結論ははじめから決まっていた。後はそれを国民にどう取り繕うかだけである。(西山太吉著「沖縄密約」、豊下楢彦著「集団的自衛権とは何か」参照。いずれも岩波新書)。
 佐藤首相が胸を張って沖縄住民や日本国民に発表した、「核抜き。本土並み」返還は、まったくの欺瞞であった。その欺瞞の序章がこのマクナマラ・佐藤会談であったのだ。
 外務省は密約の存在を認め、それを公表できるか。民主党が政権をとれば外務省に公表を命じることができるか。自民党から民主党への政権交代の真価は、この一点においても十分に試す事が出来る。
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