天木直人の公式ブログ

中東情勢を懸念する

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 中東情勢を懸念する
  政局報道に明け暮れる日本のメディアは、外電を引用する形でしか断片的に報じないが、中東情勢から目が話せない。いくつかの懸念すべき事態が同時並行して急速に進んでいる。しかもそれらがすべて密接に関連している。イラク情勢が不透明な中で、パレスチナではパレスチナを分断し強硬派ハマスを壊滅して親米ファタハとの偽装和平を図る動きがある。レバノンでは大統領選挙を巡って、親米政権樹立の動きとそれに抗する反米勢力との間で、内戦の危機が顕在化しつつある。その中でも、やはり最大の危機はイランへの武力行使である。
  ブッシュ大統領の言動を見る限り、イラク情勢の混迷にもかかわらず、退任前に大きな行動を起そうとしているのではないか。もし中東が混乱するようになれば、今度こそ日本はその影響から免れない。一刻もはやく米国のテロとの戦いから距離をおくべきだ。日本の指導者に日本経済や国民の事を考える叡智があるのなら、そうすべきだ。
  果たしてイランへの攻撃はあるのか。もちろん私にはそれはわからない。秘密情報など何もない。しかし公開情報だけを断片的に拾ってみるだけでも、事態が急速に動いていることがわかる。
  今月6日、イスラエルがシリアを攻撃した。シリア政府は「イスラエル軍機は領空を侵犯し、爆発物を投下した」と発表しただけで、空爆の有無は明らかにしなかった。その一方でイスラエル政府は、異例の沈黙を守っている。
 この事が様々な憶測を招いた。「北朝鮮がシリアに核物質を移送しているとみてイスラエルは偵察飛行を繰返していた」(12日米紙ニューヨーク・タイムズ)、「標的は、北朝鮮から渡った核物質の地下貯蔵庫」(16日英紙サンデー・タイムズ)、「イランに対する攻撃の予行演習」(16日英紙オブザーバー)などである。
  憶測はさらに発展する。「ブッシュ政権が北朝鮮をけん制する為にシリア空爆を事前に容認していた」(21日米紙ワシントン・ポスト紙)、「私は最初からこの件に関与していたし、支持した。(オルメルト首相に攻撃成功)おめでとうと言った」(ネタニヤフ元イスラエル首相の19日夜のチャンネル1発言)などと報道され、物議をかもした。
  そして23日の英紙サンデー・タイムズが「6日の空爆前に、既にイスラエル特殊部隊がシリア北部の軍事施設を急襲し北朝鮮製の核物質を押収していた、米国はこれを確認した上で空爆を承認した」という米国とイスラエルの消息筋の話を伝えた。
  イランの核保有を最大の脅威と見るイスラエルは、イランの核保有は決して認めない。そのイスラエルの安全保障を米国の外交は最優先する。しかもテロ国家イランが核を保有する事を米国は絶対許さない。イランが核保有の準備を進める限り、イランへの攻撃は、「いつやるか」だけである。
 イランが核製造の技術を取得して実用化できる時期については専門家の間で意見が分れているが、23日のニューズ・ウィークは、イラクが核開発を止めなければ「08年は行動を起す年になる」というイスラエル筋の話を報じている。これに譲歩するかのように、アフマディネジャド大統領は米CBSテレビとのインタビューで「核爆弾は必要はない」と改めて核兵器開発の意図を否定した。
 私は六カ国協議における米国の出方に注目している。米国の最大の懸念はテロに核が渡る事である。北朝鮮がシリアにいまでも核技術を提供している事を確認し、それでも北朝鮮との話し合いを続けるとすれば、この矛盾をどう考えればいいのか。
  ここから先は根拠のない推測であるが、イランへの攻撃を行う事を決めているのではないか。そうであればもはや北朝鮮がいくらシリアに技術を提供しても関係はない。それどころかイラン攻撃はシリアや北朝鮮に対する有無を言わせない核廃棄要求になる。やはりブッシュ大統領の最後の仕事はイラン攻撃なのだろうか。時間はまだ一年もある。インド洋補給活動などという悠長な事を議論している時ではない。
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