天木直人の公式ブログ

内田樹のユダヤ文化論についてー私家版・書評

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政治家として「死ぬ」事になる
 「ねじれ国会」の解消策としてよく引き合いにだされるのが大連立だ・・・
こういう言葉ではじまる10月13日の毎日新聞「発信箱」で松田喬和論説委員が興味深いエピソードを紹介していた。最近出版された「私の後藤田正晴」(講談社)の中の秘話であるという。
  その昔1960年、日米安保条約改定を強行したのと引き換えに、岸信介は退陣した。その時岸信介の子分である福田赳夫は岸の後任に、西尾末広民主党委員長を推薦したという。世の中の反岸路線をかわそうとする目くらまし作戦である。しかし西尾は「政治家として死ぬことになる」と固辞してこの目論見は頓挫した。
  このエピソードを福田赳夫が披露したのは、極秘裏に訪れた土井たか子元社会党委員長らであったという。冷戦が崩壊し、方向転換を模索していた社会党が自民党との連立を考えていた時のことであった。
  極秘会談の後、福田は言っていたという。「村山さんでも、土井さんでもいいのではないか。国政を任せて心配ない」と。
  村山擁立工作で一番暗躍したのは旧福田派であった。特に福田元首相は熱心だったという。その福田の連絡役が小泉純一郎で、社会党は良く会っていたという。
  その後の歴史は村山富一が自民党に担がれて連立政権の首相となり、自民党を延命させた。それと引き換えに社会党はそれまでの主義・主張を捨てて「政治家として死ぬ」事になった。社会党は三分割され、主流が民主党に流れ込んだ。残った社民党は生き残りをかけて日米同盟論者の小沢民主党と連立を組もうとしている。政治家として死のうとする政治家ばかりになってしまった。
 
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内田樹のユダヤ文化論についてー私家版・書評

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 内田樹のユダヤ文化論についてー私家版・書評
 内田樹(たつる)という仏文学者がいる。学者といってもどのような学問的業績を収めた学者かは知らない。私には学者と言うより雑誌や著書で社会時評しているエッセイスト、評論家と思える学者である。特段のイデオロギーに偏することなく、保守系でもありリベラル的でもあり、賛同できる意見があり、賛同できないところがあり、そういう意味で、私は彼の脱イデオロギー的な言論については関心を持って読んで来た。
 その内田が最近「私家版・ユダヤ文化論」(文春新書)を出し、小林秀雄賞なるものを取ったと宣伝されているので、早速本屋で買い求めて読んだ。勿論その本を買い求めた最大の理由は、ユダヤ人に関する知識を少しでも持ちたいと思ったからだ。
 私がユダヤ人に関心を持ったのは最近の事である。2000年前後に米国デトロイトに勤務して、ユダヤ系米国人の存在と影響力を体験したのが始まりだ。そしてユダヤ人への関心が決定的になったのは、その後レバノンと言うイスラエルと国境を接する中東の小国に勤務して、毎日のようにイスラエルのレバノン・パレスチナに対する暴挙を目撃したからだ。これほどレバノン・パレスチナ人を苦しめるイスラエルという国、その国を支えるユダヤ人、それは一体どういう存在なのかと毎日考えながら暮らしたからである。
  内田の本を読んで驚いた。100%ユダヤ絶賛の本だ。もっとも冒頭に彼は書いている。「これは私家版とあるように、私個人の知的関心に限定して書かれたユダヤ人論である。ユダヤについて中立的で正確な知識を得たいと思う人は、この本をそのまま書棚に戻されて、より一般的な入門書を手に取られた方がよい」と。そんな事を言われてももう買ってしまったのだ。読むしかない。どんな本であろうが、知識を得るには参考になる。
  この本は一言で言えば、世にあるユダヤ人に対する偏見や反感はまったく根拠のないものであり、反ユダヤ主義は殆ど病気であると言うものだ。とくにユダヤ人が世界を裏で牛耳っているといういわゆる陰謀説は、世界を分断統治しようとしているエリートたちが自分たちに向かってくるユダヤ人を牽制する反ユダヤ主義の典型であるというのだ。
  私はそのような内田の私家版・ユダヤ文化論をとやかくいうつもりは無い。陰謀論なるものも面白いとは思うが私はそのすべてに賛同するものではない。ユダヤ人をめぐる膨大な過去の歴史的背景についても興味は無い。しかし内田はなぜ今日の最大の国際問題であるイスラエルのパレスチナ弾圧政策について一言も言及しなかったのか。あまりにも片手落ちだ。
   どのようなユダヤ論であれ、そしてそれが文化論であれ、私は今日のユダヤ人を語る時パレスチナ問題を抜きには語れ無いと思う。目の前に繰り広げられているイスラエル・パレスチナ紛争の不正義について沈黙することはできないと思う。私はパレスチナ人をここまで虐待し続けるユダヤ政府が許せない。正確に言えばシオニズムが許せないという事であるが、今のイスラエル国民の殆どが党派を超えて反パレスチナである以上、イスラエル政府の暴挙を許す大半のユダヤ国民が許せない。 
  13日の読売新聞はイスラエル軍がエルサレム東部のパレスチナ人地区の強制収用に乗り出したという記事を掲載していた。11月に中東和平の国際会議が予定されているというこの時期に、エルサレムの帰属という最も困難な問題を歪める行為を平然と行うイスラエル政府。ふたたびパレスチナ人の抵抗とこれを弾圧するイスラエルの暴力が繰り広げられるであろう。耐え切れない流血と犠牲がやってくる。
  そういえば2000年9月にシャロン首相(当時)はエルサレム旧市にあるパレスチナ人の聖地アル・アクサ寺院を訪問すると言う挑発を行い、これを契機に第二次インテファーダが起きた。それを押さえつけるイスラエルの暴力が今日まで続いてパレスチナ人を絶望的な状況に追い込んできた。
  ホロコーストの犠牲者であり、それを売り物にしているユダヤ人が、なぜここまでパレスチナ人を弾圧できるのだろうか。
  今日の反イスラエル感情は内田が言う様な「根拠のない反ユダヤ主義」などではない。およそユダヤ人に関しては無関心、中立的であった私のような人間でさえも許せないと思わせるイスラエル政府の暴力とパレスチナ人弾圧・虐殺。いくら私家版といえども、今日のユダヤ論を語る時、目の前で繰る広げられているこの問題に一言も触れない事は、許されない事だと私は思う。
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