天木直人の公式ブログ

いまこそ日米軍事同盟の実態を直視する時だ(前編)

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いまこそ日米軍事同盟の実態を直視する時だ(前編)
  思い起こせば、すべての始まりは、小沢民主党代表の7月31日の次の言葉から始まった。
「(テロ特措法延長に)以前反対したのに今度賛成というわけがない」
  そうではない。参議挙の結果民主党が多数を占めた時点で、民主党の法案反対の意味がまったく違ってきたのだ。以前であれば反対しても影響はなかった。しかしこれからは民主党の反対によって延長廃止がにわかに現実的となってくる。
  私は8月6日のブログで、民主党はいずれ「落しどころ」を見つけだろう、見つけるべきだ、と、おおよそ次のように書いた。
  本気で延長反対を貫けば「日米軍事同盟の是非」という本質論にたどり着くことになる、しかしそのような本質論を今の民主党が正面から自民党と論議しても勝てない、なぜなら民主党も日米同盟容認の政党であるからだ、だから安保問題を政争論議の中心にすべきではない、ましてや政権交代を目前にして最後の戦いを挑もうとしている小沢民主党にとっては得策ではない、対米従属外交への不満は右からも左からも高まっているけれど、いまだ一般国民の意識は日米軍事同盟から本気で自立しようとするところまで熟していない、だから米国が本気で怒りだせば国民は不安になる、それを逆手にとって自民党がテロ特措法反対は「国益に反する」などと言い出せば、「とまどえる群集」である一般国民は「延長やむなし」という考えに傾く、ここで延長が認められれば日米軍事同盟を見直すという選択肢が永遠に遠のいてしまう、延長廃止になって日米関係に摩擦が生ずれば小沢民主党は責任をかぶせられる、だから小沢民主党は早い段階で自らに有利な落しどころを見つけるべきだ・・・と
  私は今でもそう思っている。しかしその後の状況は大きく変わった。「落しどころ」がどこに行きつくのか予想することを難しくさせてしまった。
  その最大の理由は、なんと言っても給油がイラク戦争に転用されていた事実が明るみに出た事だ。この疑惑が明らかにされないままに給油延長は出来ない。だから民主党が、納得いく説明が得られるまで反対を貫く事は正しく、かつ必要な事である。その意味で民主党は強硬にならざるを得ない。
  しかしもう一つの思わぬ想定外が出てきた。小沢代表が、国連決議によって認められたアフガン国際治安支援部隊については、民主党が政権を取ったら自衛隊を派遣する、それは合憲である、と発言したのだ。しかも、これは党の決定事項だから、反対なら民主党を離れればいいとまで言った。
  ここに至って、テロ特措法延長を巡る論議は混迷する事になる。一方において自民党からの小沢発言違憲性の攻撃を招き、他方において民主党内の護憲派を刺激することになった。これからは毎日のように色々な立場からの論争が繰り返されるであろう。格好のメディアネタになってしまった。
  私には小沢民主党代表の真意がわからない。そう思っていたら、今日発売の週刊ポスト10月26日号に一つの考えが提示されていた。小沢党首は計算済みであるという。自民党を早期に解散・総選挙に追い込む作戦であるという。自公分断作戦であり、民主党内へのショック療法であるという。
  本当にそうであろうか。しかし、たとえそうであっても私はその作戦は正しくないと思う。それは、政界大再編につながる混乱を招く事はあっても、次回総選挙での政権取りを最優先した場合、必ずしも有利に事態が展開するとは思えないからだ。
  しかし、ここまで来たらもはや論争は避けられない。そうであるならば、一気に政界大再編に突き進む事になるのも悪くはない。
  政治は一寸先は闇だ。「テロ特措法延長の是非」などという瑣末な議論から始まった国会論争であるが、この際共産党や社民党、あるいはその他の政党の真の護憲論者は、政治家としての信念を貫いて、今こそ日米軍事同盟の是非を巡る本質的論戦に挑んでもらいたい。
  テロ特措法延長問題をきっかけに、本当の意味での政界大再編の総選挙、すなわち、単なる政権交代の総選挙ではなく、平和国家日本か戦争国家日本か、そのいずれを選択すべきかを問う、政界大編成の選挙になる可能性が出てきたのだ。
  これに関連し10月14日の東京新聞における佐々木毅学習院大教授の言葉を紹介する。佐々木教授は「時代を読む」というコラムの中でこう書いていた。ねじれ現象となって動きのとれない国会ばかりが強調されているが、そうではない。参院で否決された法案は衆院の三分の二の再議決で成立させる事ができるという憲法の規定が厳然としてある。与野党がこの憲法の規定の趣旨を正しく認識し、憲法遵守の精神があるのであれば、与党が野党の意見に耳を傾けるのは当然であり、野党も参院の多数の力を安易に濫用できない、政治家もマスコミも、ねじれ現象に「悪乗り」することなく、国民の為にベストな政策を進めていくべきだと言っている。
  そしてその後に次のように言っている。この発言こそ、私が最も注目した発言である。
「・・・日本の政党政治と二院制の関係が、厄介な問題を含んでいる事は否定できない。その根源には憲法問題がある。やがてその矛盾が沸騰点に達することがあるかもしれないが、今はなおそうした事態ではない・・・」
  いや、ひょっとしてその時期がいままさに訪れつつあるのではないのか。真の政党政治とは、憲法9条改憲の是非、すなわち日米軍事同盟をこのまま一気に強化させていくのか、それともここで踏みとどまって米国から自主・独立した平和外交に舵を切るか、その根本問題に沿って正面から国会論戦ができるような政治状況にならなければ嘘だ。
  日本は今猛スピードで戦争国家米国に従属させられようとしている。在日米軍基地が、日本を守る為の基地から、米国の戦争の為の基地に再編されようとしている。日本を守るはずの自衛隊が、日本とは無関係の米国の戦争の為に、米軍に命令されて中東にかれだされていく。この事は政局争いの為にする議論ではない。事実なのだ。そしてその事実が国民の目から隠されたまま、て深く・静かに、しかし猛烈なスピードで進んでいるのだ。
  思えば1995年のナイ・イニシアチブから始まり、96年のクリントン・橋本首脳会談による日米安保共同宣言、それを受けた97年の新ガイドライン、98年の周辺事態法を経て、ついに2005年にブッシュ・小泉の手による米軍再編への全面的協力(日米同盟:未来のための変革・再編)によって、憲法9条が否定され、日本の安全保障政策が完全に米国の戦争の中に埋没してしまった。この現実を今こそ国民の前に提示されなければならない。日米軍事同盟の実態については次回のブログで告発する(続く)。
  
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