天木直人の公式ブログ

  消費者省庁設立の動きのどこがポイントか

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 通訳御用掛が残した昭和天皇のお言葉
 昭和天皇の通訳を長年務めた真崎秀樹という外交官がいた。真崎氏は私が昭和44年に外務省に入省した時の英語の先生であった。
 
 その真崎氏が、天皇陛下が各国要人と交わされた会話の詳細を残していた。
 その記録をジャーナリストの徳本栄一郎氏が入手して、今日(22日)発売の週刊文春5月29日号にその一部を発表、解説している。
 それによれば、昭和天皇は明晰・沈着であり、各国要人の、時としてあからさまな質問や当惑するような語りかけについて、政治的発言はあえて行わないという自覚の下に、あるいは無視したり、あるいはあっさりと受け流したりして、的確な対応をされた、という。
 しかし、そんな昭和天皇でも、時としては思いがけないほどの踏み込んだ発言をなされていた。
 週刊文春の記事の中で私が注目したのは次の二つの発言である。
 一つは1979年10月22日のシンガポールのリー・クアン・ユー首相との会談である。
 リー首相は、中国と日本の両文明を比較して、中国文明は閉鎖的だが日本文明は開放的だ、朝鮮は日本に支配されてよかった、などと話しかけたという。
 日本は韓国に対して植民地支配を謝罪するばかりが能ではない、と、最もデリケートな歴史論争を昭和天皇に挑んだのだ。
 これに対し昭和天皇は、完全に無言で通したという。「何も聞こえなかったかのように振舞われ、何も言われませんでした」と真崎は回想したという。このとき天皇陛下がどのような発言をしようとも、その言葉は大きな意味を持つことになったに違いない。あえて黙殺した昭和天皇の対応は見事だ。
 その一方で、昭和天皇は、共産主義の封じ込めに関しは、驚きべき踏み込んだ政治的発言をしている。
 1959年12月25日にシンガポール駐在の英国高等弁務官であるロバート・スコット氏と会談した際、天皇陛下はインドネシアにおける共産主義の状況を積極的に質問をされている。
 1962年1月11日に米国のアチソン元国務長官と会談した際は、「あなた(アチソン)の努力でカンボジア・タイ・ベトナkムの関係が改善すればアジアの平和にとてもよい事でしょう」と答えている。米国による共産主義の封じ込めを評価する言葉である。
 また天皇陛下は、1962年3月9日にはデヴィット・ロックフェラー、チェース・マンハッタン銀行頭取(当時)が始めて日本を訪れて天皇陛下と会談した際、ロックフェラーが「フィリピンでは共産主義の脅威が収まり、徐々に経済も回復しているようです」と話したのに対し、「それを聞いて嬉しく思います。日米の協力は両国だけではなく、世界平和に極めて重要だと思います」と答え、「米国、欧州、日本が緊密に協力すれば、ソ連と中国の前進を阻止できるでしょう」とロックフェラーが言えば、「私もそう思います」と答えたという。共産主義の封じ込めで昭和天皇は米国と完全に一致していたのだ。
 徳本は週刊文春の記事を次の言葉で結んでいる。
 ・・・天皇が各国要人と交わした会話は現代史そのものと言ってよい・・・特に、戦後の一時期、昭和天皇は本気で共産主義の台頭を危惧し、海外共産勢力について、あらゆる機会に情報収集されていた点は興味深い。
 徳本の言葉遣いは慎重であるが、日本が米国との関係を最優先してきた理由はここにもあると言うことである。
 
 
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  消費者省庁設立の動きのどこがポイントか

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 宇宙基本法の成立に思う
 消費者庁設立の素案が一斉に大きく報じられた22日の各紙において、もう一つ一斉に報じられた法案があった。しかもそれは素案ではなく、成立した法律として。
 それは宇宙の軍事競争を解禁する宇宙基本法である。
 「宇宙の平和的利用」については、私には個人的な思い入れがある。
 法学部の学生の時、始めて手にした田畑茂二郎の「国際法」の教科書の中に、これまでの国際法の対象は国家と領土であったが、これからは個人と宇宙も対象となっていく、というくだりがあった。
 その中でも、宇宙について触れたくだりでは、宇宙は南極と同様に領土という概念が凍結され、すべての国家に平和的に開放されなければならなくなる、と書かれていた。
 正確な記述はあらかた忘れたが、宇宙という無限の広がりと、その宇宙を平和と結びつけるこの考え方に、漠然としたロマンを感じたものであった。
 それから40年以上たった今日、平和憲法9条を誇る日本が、宇宙を軍事目的で利用する法律を堂々と成立させるようになったのだ。残念でならない。
  この宇宙基本法の是非について、ここで論ずるつもりはない。しかし、次の点だけは強調しておきたい。
 まず、この宇宙基本法の成立は重大な憲法違反の法律であるという点だ。
 すべての法律がそうであるように、字面を読む限りでは本当の事は何も分からない。第一条に「憲法の平和主義の理念を踏まえて」と謳っているから問題はないと強弁はできる。実際のところ、直嶋民主党政調会長などは、「憲法の平和理念に基づき取り組む事(が法案に入った事)も民主党の要請だ(22日読売)と成果を強調している。
 しかし、これは言い逃れだ。高度に攻撃的なミサイル兵器を宇宙に配備する事を認めるこの基本法は、専守防衛の憲法原則に正面から反する。
 次に、このように明確な憲法違反の法律が、衆参両院合わせてたった4時間の国会審議で成立したという事実である。
 この国の国会は、そして護憲政治家たちは一体何をやっていたのか。
 たしかに、平和や護憲を叫ぶ共産党や社民党は票決に反対した。国会審議でも反対の意見を述べていたに違いない。
 しかし、どこまで本気になってこの法律の成立阻止を国民に見える形で訴えてきたかの疑問は残る。その訴えはまったく国民の目には見えないのだ。
 加えて、メディアがこの基本法の危険性を殆ど報道しなかった。今回の法律成立にさしても、わずかに22日の朝日新聞がその社説で違憲性を指摘し、宇宙にまでミサイル防衛システムを広げることへの経済負担の大きさを書いているだけだ。
 それどころか、メディアは、これ以上宇宙における世界的軍需拡大競争に遅れてはならない、とする日本企業の論理ばかりを強調している。
 私は憂える。平和を願う護憲的な市民運動の動きとは裏腹に、政府の憲法9条否定の政策が静かに、しかし着実に推し進められている事を。
 それを防ぎとめるためにも、護憲政党、政治家に期待される責任は大きい。護憲政党と護憲市民の一致団結が望まれる。
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