天木直人の公式ブログ

国籍法改正を急いではいけない

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 官僚なったぐらいだから、そして官僚を35年もつとめてきたぐらいだから、私も官僚の悪しき本性を見につけている。
 官僚の悪しき本性の中でも一番鼻持ちならないところは人を見下すところである。
 それは良くない事だと遅ればせながら気づいて改めようとしても、そう簡単には改まらない。
 もはや人の批判など気にしない私だが、「あいつはいつまでたっても官僚臭が抜け切らない奴だ」、と批判される事が一番こたえる。
 そんな私だが、次のような記事に出くわすと、やはり驚く。心が寒くなる。
  近ごろ水村美苗(みずむらみなえ)という女性作家の書いた「日本語が滅びる時ー英語の世紀の中で」(筑摩書房)という本が、評判されていると見えて、書評欄でよく取り上げられている。
  この本は、世界で流通する英語が唯一の「普遍語」として君臨する一方、他の言語は亡びる、という事を言っているらしい。それはまた、「愛する日本語」を滅ぼしてはいけないという逆説でもあるらしい(11月25日朝日新聞書評)。
 11月23日の毎日新聞「千波万波」においても、潮田道夫論説委員が、いまや国際語となった英語が学問や文芸の世界で他の言語を圧倒しほろぼしていくだろう、とする水村美苗氏の主張を、「文明論的見通しを雄弁に語っている」と褒めている。
 確かに英語はもはや英米人の言葉にとどまらず国際語となっている。
 だから日本という国が、そして日本人が世界に正しく理解され、評価されるには、日本人がもっと英語で自由に発信できるようにならなければいけない、と私も世界を渡り歩いて来て感じてきた。
 しかし、私が水村美苗氏の事について俄然興味を持ったのは、この本のそういう主張ではない。
 前掲の毎日新聞「千波万波」のコラムで潮田論説委員が書いていた次の文章を見つけたからである。
 ・・・(この本に書かれている)数々の挿話も面白く読んだ。水村氏の女友達の大学教授の感懐。小さいころ小説家を世の中で一番尊敬していたが「それが、今、日本じゃあ、あたしなんかより頭の悪い人たちが書いているんだから、あんなもん読む気がしない」。水村氏も同感だそうだ。そうだろうなあ・・・
 この見下し観はどうだ。
 こういう連中が官僚の世界に如何に多かった事か。
 そして官僚の周りに集まる経済人や有識者などの自称エリートたちもそうだった。
 この大学教授も水村氏もそしてコラムを書いている毎日新聞の潮田論説委員もその仲間たちに違いない。
 しかし、それは間違いである。
 人を見下す事も間違いだけれど、事実認識としても誤りだ。
 その大学教授がどの作家をさして自分より頭が悪いと言っているのか知らないが、人々に読まれるものを書いていること自体が評価に値する事なのだ。価値がある事なのだ。頭が悪くてはできない。
 そもそも頭がいい、悪いとは、どういう事なのか。
 自分こそ頭がいいと思いこんでいる頭の悪い連中が、つるんでこの国を動かしている、その現実こそ、国民を不幸にしていると思う。
 
 そこを変えなければこの国は変わらない。
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国籍法改正を急いではいけない

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 11月27日の各紙は月内成立の見通しだった国籍法改正案の参院可決、成立が自民、民主の話し合いでひとまず先送りされる事になった事を小さく報じている。
 これはもっと大きく報道されるべき問題である。今日のブログはその事について書く。
 実はこの国籍法改正問題については、このブログで取り上げてくれという書き込みが最近多く寄せられていた。
 それをあえて取り上げてこなかったのには勿論理由がある。
 その理由の一つは、このブログで取り上げるテーマは私の独断と偏見で、私が書きたいと思うテーマだけを取り上げるという原則を崩したくないからである。このブログは読者の期待に応えて書くものではない。
 しかし、もう一つの理由は、自分が自信の持てないテーマについて書く事は控えるという方針があるからだ。何を書いても必ず批判するものがでてくる。その批判に堪えられるのは、自分が書くことに対する絶対的確信である。たとえそれが妄信であるとしてもだ。
 しかし今日の新聞報道を見て、国籍法改正についてどうしても書きたくなった。
 11月27日の朝日新聞によれば国籍法改正は、ひとまず月内成立は見送られたけれど、自民、民主両党の間では今国会で成立させる合意が出来ているという。
 これはおかしい。
 国籍法改正についてはもっと慎重な審議が重ねられるべきだ。
 メディアがもっと大きく取り上げ、国民の間に問題点が周知される必要がある。
 それほど重要な国籍法改正である。
 いうまでもなく今度の国籍法改正のポイントは、単純化していえば、日本人の父親が認知すれば未婚の子供にも日本国籍を認めるというものだ。
 この国籍法改正反対に熱心なのは保守、右翼的な立場の人が多い。
 その例には枚挙にいとまがないが例えば11月27日の産経新聞で、あの稲田明美衆院議員が反対をし、今日発売の週刊新潮では桜井よしこ氏が平沼赳夫衆院議員と対談して「日本の危機」とまで酷評している。
 その背景にあるのは、国籍は国家の主権にかかわる需要な要素であり、正体不明の者に安易に国籍を付与しては日本が崩壊する、という国粋主義、愛国主義、排他主義の考えがある。
 その一方で、一体誰がこの法改正を推進しているか、それは公明党だとして、公明党の日本乗っ取りを警戒する意見などもある。
 しかし、国籍法改正に反対しているのは、なにも保守、右翼的な議員ばかりではない。
 11月27日の日刊ゲンダイで田中康夫参院議員が連載コラム「奇っ怪ニッポン」の中で次のように反対意見を述べている。
 つまり偽装認知を行なって国籍取得する事に道を開く事によって、子供たちを悪の犠牲者(闇の子供たち)に貶める憂慮すべき事態を助長しかねないというのだ。
 共産党や社民党の議員から声が聞こえない事もおかしなことだ。「人権といえば進歩的だとする浅薄な風潮」(平沼赳夫)とまでは言わないが、護憲政治家からももっと意見が出なくてはおかしい。
 結論からいうと、国籍法改正を急いではいけないということだ。
 今年の6月に最高裁が現行法は憲法14条「法の下の平等」に反するという違憲判決を下した。
 それをきっかけに法務省が改正を急いだとされている。
 しかし、最高裁の違憲判決はきわめて政治的だ。憲法9条がらみの違憲判断は決して行わないが、摩擦がないと判断すればあっさり違憲判決をする。
 人権重視の護憲政党が、日本国籍を取れない子供の人権を慮って改正案を賛成したとすれば、田中康夫氏のいうように悪の手にかかる子供たちの人権はどうなのか。
 それよりも何よりも、国会議員が何もわからずに改正案を通そうとしているあきれた現実がある。
 20日の自民党津島派の総会で「この中で、国籍法改正案を全部解している人は手を挙げてください」と某議員が呼びかけたら手を挙げた議員が一人もいなかったという(11月21日産経新聞)。
 実のところ殆どの法案が官僚の作ったものをそのまま通過させているのが日本の国会の現状だ。
   たしかに、国籍法改正に反対している議員の中にはとんでもない議員もいる。その反対の理由もまちまちだ。
 しかし、そのことと、国籍法改正の是非について冷静に判断する事は別だ。
  国会審議は尽くされていない。
  なによりも一般国民がその問題点を十分認識していない。
  国籍法改正を急ぐ理由はどこにもない。
 
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