天木直人の公式ブログ

オバマ大統領の苦悩と苦しみ

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 ベルルスコーニ伊首相がまたもや人種差別発言を繰り返したという。その報道を見て、日頃私が思っている事を書きたくなった。
 当然のことながらオバマ大統領は万能ではない。困難な問題が山積している。
 当然のことながら米国民のすべてが彼を英雄視しているわけではない。支持率も低下傾向だ。
 しかし、そんなことよりも、もっと大きい問題がある。米国と言う国の中にあって、大統領になってもなお根強い黒人差別主義と闘っているのだ。
 鳩山首相は、恵まれた自分の境遇ではおよそ考えられないオバマ大統領のこの苦悩と哀しみへの思いをはせる事なく、オバマ大統領との本当の友情と信頼の関係を気付く事はできないと心得るべきだろう。
 7月下旬、私が独立外交官カーン・ロスに会うためニューヨークに滞在していた時、ハーバード大学の黒人教授がカギを忘れて自宅のドアをこじ開けようとし、近所の通報で駆けつけた警官に取り押さえられる事件が米国の一大ニュースとなって騒がれた。
 それを知ったオバマ大統領が警官の行動を「ばかげた事」と非難し、これが警官の反発を買ってオバマ大統領が謝罪し、後日その警官と黒人教授をホワイトハウスに招待し、副大統領を交えてビールで和解することを国民の前で演出せざるをえなかった。
 医療改革問題で議会や国民の反発を受けて苦境に立たされているオバマ大統領を見たカーター元大統領が、オバマ大統領に向けられている「敵意」はオバマ大統領が黒人であるからだと発言し、またしても米国に動揺が走った。
 黒人をアフリカ大陸から奴隷として連れてきた米国の原罪のツケで米国は苦しんでいる。
 それをだめ押しをするかのように、ニューズウィーク日本語版の9月30日号に衝撃的なき記事を見つけた。
 レーナ・ケリーと言う名の黒人ジャーナリストが、この際はっきりさせておかなければならないとして、オバマ批判の根源にある黒人差別から逃げてはいけない、と次のように書いている。
 「・・・奴隷制度、南北戦争、人種隔離政策、暗殺、無数の暴動・・・すねに傷を持つこの国は、明らかに人種によって分断されている。それをごまかすのは、世間知らずで不誠実な行為だ。
 オバマの狩猟許可証を買おうとジョークを言った共和党のアイダホ州知事候補や、大統領夫人ミシェルの祖先は檻を抜け出したゴリラだと発言したサウスカロライナ州の共和党活動家は明らかに人種差別主義者だ・・・
 人種差別主義者は確かに存在する。彼らは黒人の大統領を快く思わない・・・
だから・・・『優越性』を象徴するオバマは、黒人を体毛のないゴリラだと見なす人々にとっては脅威に感じられるのだろう・・・
 人種を超えて愛されるテレビ司会者のオプラ・ウィンフリーや俳優のウィル・スミスは例外。この国は肌の色で人を判断する悪癖からいまだ脱していない・・・」
 その黒人大統領が今米国のかじ取りを任せられている。
 鳩山首相はそんなオバマ大統領の苦悩と哀しみに思いをはせるべきだ。
 それはオバマ大統領に同情するということではない。
 弱者の気持ちがわかる大統領が米国の大統領になったという認識だ。
 その認識の上に立って、とともに弱者の為の政治を実現しようと呼びかける事だ。
 その究極の目的は、格差のない社会であり、核のない社会であり、なによりも戦争のない世界だ。
 この共通認識こそが、そして、それのみが、日米間の困難な問題を解くカギである。
 米国大統領は絶大な権限がある。大統領がその気になれば誰もその大統領の決断にさからうことが出来ない。それはブッシュ大統領が証明してくれた。
 日本の首相もまた大きな権力を持っている。ましてや最後は権力に従う国民性の国だ。最後は皆が首相の決断に従う。それを小泉首相が証明してくれた。
 鳩山首相に求められるのは、文字通り命がけで友愛社会を実現する事である。それを世界に広めることである。
 その覚悟を持ってオバマ大統領に語りかけるのだ。
 我々が同じ時に日米両国の指導者に選ばれたのは一つの宿命だと。
 ともに力を合わせて日米を世界をつくり変えて行こうと。
 オリンピック選挙で再会する時にこそ、それを語ってもらいたい。
 オリンピック選挙の結果よりもはるかに重要で歴史的な事であると私は思う。
                   
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