天木直人の公式ブログ

開発途上国の視点から見たもう一つの原発問題 

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 以下は今日の「天木直人のメールマガジン」の引用です。
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□■ 天木直人のメールマガジン2011年5月30日発行 第373号
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  開発途上国の視点から見たもう一つの原発問題 
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 原発問題をめぐるサミット報道の中でオヤッと思わせる記事があった。
それは脱原発について多くの開発途上国首脳が反対したという記事だ。
 それを裏付けるように次のような記事が見られる。
 トルコのアブドゥルラフマン駐日大使が27日、都内で記者会見し、
日本側と交渉を進めている原発建設計画について、「変更する必要は
ない」、「トルコは原子力エネルギーをあきらめることはない」と
話したという(5月28日朝日)。
 現在ベトナムは極度の電力不足に悩んでいる。20%を中国から買電
していて、国家の安全保障上の観点からも、原発導入は不可避と判断し
ている(5月30日読売)
 経済発展と安全保障。
 この二つのテーマは開発途上国の視点から見た原発問題を見事に言い
当てている。
 私がマレーシアに勤務していた1990年代のはじめに、マハティー
ル首相は熱帯雨林を伐採するマレーシアを非難する米国に対して次の
ような痛烈な言葉を投げかけたことがあった。
 さんざん環境破壊をして経済成長を成し遂げた国が、カネにまかせて
砂漠にゴルフ場を作って遊んでいる。彼らに我々の産業政策をとやかく
いう権利はない。熱帯木材は我々の生存、経済発展の貴重な経済資源だ。
ヤミクモに濫伐しているわけではない・・・
 私がレバノンに勤務していた2000年代のはじめに、レバノン人が
よく言っていた。イスラエルが核保有国である以上イランが核保有を目指
すことは避けられない。イランが核保有を持つようになればサウディアラ
ビアは核保有を目指す・・・
 我々はいま原発事故の恐怖から突然原発反対を言い出した。しかし原発
は貧しさから経済大国を目指す当時の日本の国策だった。その時は日本
国民の大半はそれを疑わなかった。
 原爆と原子力発電は紙一重だ。原子力発電推進の裏には、いざという時
の核兵器製造能力の確保の狙いもあったといわれている。
 原発廃止と原爆廃止は一体になって論じられなければ意味はない。
 原発廃止も原爆廃止も国際社会の一致した合意がなければ困難だ。
 そしてその責任はもっぱら欧米主要先進国にある。
 サミットで議論されるべきは核軍縮と核の平和利用を一体として
主要先進国がどう取り組むかである。
 世界の大多数の開発途上国を説得するためには、先進主要国が率先して
範を垂れなければならない。それについての合意形成を目指さなければ
ならない。
 核抑止力を信じる菅首相ではとても無理であるが、日本の首相がサミット
で問うかけるべきはまさしくその事であったと思う。
 原発問題はそれほど大きな問題であるということだ。
                               了
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