
私は2000年の大統領選を在デトロイト日本総領事としてまじかにみてきた。
管轄州のミシガンとオハイオの動向を追った日々を懐かしく思い出す。
4年に一度の米国民の政治的お祭りだ。
しかし、その米国の大統領選挙に、日本ほど左右される国はないだろう。
だからこそ日本のメディアは世界一米国大統領選の事を熱心に報じる。
なぜか。
それは、世界一対米従属の日本は、「米国がすべて」であるからだ。
すなわち、大統領選の結果は日本の政治に決定的な影響を及ぼす。
それではどのような人物が選ばれたら日本はいいのか。
今度の選挙は、民主党候補といい、共和党候補と言い、ワシントンの政治、つまり既存の政治に対する米国民の不満が現れた選挙であると皆が言っている。
まさしく日本の政治もそれにならった動きが必要だ。
しかしその不満のはけ口として、国民が誰を選ぶかは、米国も日本も、決定的に重要である。
たとえば共和党候補だ。
トランプ氏が選ばれれば、とんでもない事になる。
しかし、アイオワの党員集会でトランプを制したクルーズ氏は、宗教保守や茶会(ティーパーティ)派から強く支持されて、ここまで来た人物だという。
トランプの米国はジョークで済まされるが、クルーズの米国は、より厄介かもしれない。
一方の民主党だが、クリントン夫妻は、日本で知名度があり、日本人は歓迎するかもしれないが、私のデトロイト時代の体験でいえば、クリントン夫婦は決して親日的ではない。
そのクリントンに肉薄して急浮上したのがバーニー・サンダースだ。
私は、彼の事はまったく知らないのだが、「最も高齢者の候補が若者に圧倒な支持を得ている」というところがいい。
それだけでも素晴らしいことであるが、その理由が、格差社会をなくすと主張しているからだというところが、なおいい。
米国にも、ついにこういう社会民主主義的な人物が大統領候補となり、しかもクリントンと言う既成権力を脅かすようになったのだ。
バーニー・サンダース大統領の米国を見てみたい。
そして日本にも安倍首相と正反対の人物があらわれ、バーニー・サンダースの米国と、対等で平和的な真の日米友好関係を築いてもらいたいものだ(了)
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