![Photo by : 朝日新聞 「フセイン処刑の意味」 [http://www.asahi.com/international/kawakami/TKY200701090200.html]](http://xn--gmq27weklgmp.com/wp-content/uploads/2016/04/6090cdd514e9ca7c4abe9c3c1bca07ab.jpg)
きのう4月24日の日経新聞「風見鶏」で、秋田浩之編集委員が「検証なき国は廃れる」という見出しの論説を書いていた。
そこで書かれている内容は、日本と言う国は誤りを検証しない国であるという嘆きだ。
そして、その典型例として書かれていたのが、あのイラク戦争に賛成した日本の検証のなさだ。
欧米諸国とのあまりの違いを、次のように指摘している。
今年の6月に、英国政府が2009年に設置した独立調査委員会が8年越しの検証結果を発表する。
尋問に応じたのはブレア首相(当時)をはじめ当時の要人や軍幹部百数十人にのぼる。
イラク戦争を始めた米国は、すでに約600ページの報告書を10年ほど前に出している。
イラク戦争に参加しなかったオランダさえも、戦争を支持したことが正しかったかどうか、約500ページの検証結果を発表している。
ところが日本は民主党政権の指示を受けた外務省が、民主党政権が終わる直前の2012年12月に、わずか4ページの検証要旨を公表しただけだ。
さすがに、このまま日本が検証なしに終わらせるわけにはいかない、そういって秋田浩之編集委員は次のように締めくくっている。
「日本は先の大戦で、自国民だけで約310万人の命を失った。再び、国策を誤ることはないのか。国の検証力の乏しさを考えると、不安になる」と。
なぜ今ごろになって日経新聞はこのような論評を掲げたのだろう。
私が想像するに、今年の6月に英国の検証調査委員会の膨大な検証結果が公表されると、その時点で再びイラク戦争を検証すべきではないか、という声が高まるからだ。
私はまったく知らなかったのだが、確かにこの検証報告が今年の6月に発表されれば一大ニュースになる。
いやがおうでも世界はイラク戦争について思い出さざるを得ない。
しかし、残念ながら今年6月に英国の検証結果が公表されても、日本ではいまさらイラク検証の気運は起こらないだろう。
ひょっとしたら、この日経新聞の記事も、それを見越した上で、格好をつけてこのようなガス抜きの記事を書いたのかもしれない。
なぜ私がそう思うか。
それは、日本では、外務省や政府は決してあのイラク戦争を検証ようとしないからだ。
それどころか、超党派の国会議員も、市民団体も、本気であのイラク戦争を検証する気はないからだ。
その証拠に、彼らの誰一人として、私への聞き取りをしようとしたものはいなかった。
私が自己宣伝したいからそう言っているのではない。
うぬぼれてそう言っているのではない。
もし本気で検証するのなら、少なくとも、当時あの戦争は間違いだったと小泉首相(当時)に進言して解雇された私への聞き取りは不可欠であったはずだ。
なぜ彼らの誰一人として私に証言を求めようとしなかったのか。
私の存在に気づかなかったのか。
そんなはずはない。
結果として私があまりにも正しかったからだ。
そんな私に証言を求めるのはしゃらくさいからだ。
もしいつの日か、日本があのイラク戦争を本気で検証するようになり、私にも証言を求めるようになったらどうするかって。
残念ながらそのような時は来ないだろう。
そして、たとえそのような時が来たとしても、私は証言には応じないだろう。
へそを曲げて応じないのではない。
もう当時の事はとっくに忘れてしまったからだ。
物事には何ごともタイミングというものがある。
タイミングを逸してしまえばすべては無意味になるということである(了)
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タイミング、それはあります。
忘れてもいいんです。
で、書き残していないんですか?天木さん。
日本は何事も米国次第だろう。親分の顔色を窺いながら、とかく日本の外交は動いていく。トランプ氏は富豪ゆえ、軍産複合体の影響から離れていられる。だからブッシュを嘘つきと軍人の前で言い放つことができた。彼のために中東は破壊されたとも言った。南米のノリエガを捉えに行った時から米国は西部劇みたいに幼稚で怖い国だと思っていた。こんなことが許されるのかと思った。その延長がフセインだ。日本には中東外交がない。全て米国経由だ。専門家も米国の書物、意見を参考に情勢をのべるだけで、直に現地語で取材できる人もいない。