天木直人の公式ブログ

慰安婦問題でベタ降りした安倍政権が教えてくれる事

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Photo by : ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像(韓国) The Huffington Post [http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/05/ianfu-korea-_n_4216870.html]  
Photo by : ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像(韓国) The Huffington Post [http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/05/ianfu-korea-_n_4216870.html]

 少女像の撤去がなされないまま、安倍首相は政府予算から10億円の拠出をする方針を決めたという。

 これは慰安婦問題で安倍首相がベタ降りしたということだ。

 それをいまごろになって話が違うと怒る右翼は愚かだ。安倍首相はすでに昨年12月28日に突如発表された日韓合意でベタ降りしていたのだ。

 その事を菅官房長官がきのう7月28日の記者会見で見事に白状した。

 すなわち日韓合意について「日韓両政府が責任を持って実施する事が重要だ」と語った。

 これだけでは、国民は何の事かわからないに違いない。

 それを、安倍政権の代弁メディアの読売新聞がきょう7月29日の紙面で次のように解説してくれている。

 「・・・日本政府が早期の10億円拠出に踏み切る最大の理由は、昨年12月の日韓合意の文言にある。合意には、日本政府の予算から財団への10億円拠出を確認すると同時に、少女像の問題は韓国側が『適切に解決されるよう努力する』と盛り込まれている。合意は少女像の撤去まで約束したものではなく、資金拠出時期との関連も示されていない
(日本政府高官)こともあり、資金拠出が遅れれば『日本側が合意を破棄した』との口実を韓国側に与えかねない・・・」

 しかし、日韓合意と言っても、我々はその全貌を知らされていない。

 日韓合意は、歴史の検証に耐えられる、まとまった公文書ではなかった。

 これが日韓合意だという公式な成文はない。

 当時の日韓両外相の共同記者会見の言葉であるとか、両政府の説明であるとかの合わせ技のようなものだった。

 だから本当の事は誰も分からないのだ。

 米国政府と、日韓両国のごく一部の者しか知らないのだ。

 稲田朋美をはじめとした安倍政権のタカ派は、少女像撤去もされないまま政府予算で拠出する事は認められとないと怒っている。

 当然だ。

 しかし、安倍首相は、これら「身内」までも欺いて、日韓不可逆合意を急いだのだ。

 もちろんその背後には米国の強い圧力があった。

 安倍首相は、賠償問題は決着済みだという建前を維持すると言いながら、政府予算を出す事を決め、少女像に撤去がなくても政府予算を拠出する事を認めていた、つまり昨年12月28日にベタ降りしていたのだ。

 こんな事は安倍政権の中でも知らされておらず、ましてや国民はまったく知らない。

 これは象徴的だ。

 およそ米国の圧力によって合意させられるものは、ことごとく密約である。

 あの安保条約がそうだった。

 後に首相になった中曽根議員は若かりし頃吉田茂に国会で密約だと噛みついた。

 その中曽根議員がまさにロッキード事件で米国と密約して田中角栄を追い落とし、みずからを守ったのだ。

 あのロッキード贈収賄事件の本丸はP3C戦闘機の売り込みだったことはもはや明らかだ。

 田中内閣の直前まで防衛庁長官をやっていた中曽根氏が知らないはずがない。

 そして、クリーンを売り物にしたバルカン政治家三木武夫は検察に命じ、米国司法と取引して田中角栄逮捕に踏み切ったに違いない。

 これも政治の浄化と言うよりは、弱小政治家三木の権力欲のなせるしわざだ。

 これを要するに、日本の政治家たちは、権力争いと保身を優先し、仲間や国民を裏切ってまで米国に従属してきたということだ。

 対米従属を引き受けてくれる政治家であれば、犯罪者であろうが気にくわない奴であろうが、それを助けて米国の国益に役立たせ、じゃまになったら切り捨てる、というのが、いまも昔も変わらない米国のやり方だ。

 慰安婦問題のベタ降りが教えてくれるもの。

 それは安倍首相が、自らの保身の為に、国民を裏切り、同僚議員さえも欺いて、米国と密約を繰り返す姿である。

 それでも慰安婦問題が正しく解決するなら私は歓迎すると書いた。

 どうやら韓国内部の動きを見ていると、それもかなわないようだ。

 対米従属は一時的にはうまく行っても、必ず最後は関係者を不幸にさせる。

 これもまた歴史が教えてくれる厳然たる事実である(了)

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コメント3件1089

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. By とら猫イーチ

    米国従属では無く、本当の処は、属国ではないのでしょうか。

    例えば、善悪は別として、麻生が如何に大口を叩こうが、米国に通貨安政策はするな、と一喝されると、注目されていた日銀の追加緩和もETFの買い増し程度にしなければならなくなったのですから。

    たちまち、本日は、対ドルで102円少しの円高。 

    米国から、アホノミクスを止めろ、と言ってくれないかな。。。それと、右ばかり向くな、前を向け、と命令して欲しいですね。 

    円が大幅上昇、日銀追加緩和も最低限との評価-対ドル一時102円台 Bloomberg 2016年7月29日 11:00 JST
    https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-29/OB1ZSX6JTSEJ01

  2. 昨日、朝のNHKで、キャンベルという人をゲストに呼んで、米国の大統領選で、どちらになっても日米同盟は強固なものになることを述べて、南シナ海問題では、日本が重要な役割を担うことになるだろうと強調した。
    日本の潜水艦は優れているし、海洋パトロールも行うこともできる。
    こんなニュースが流れれば、今朝は中国とロシアは南シナ海で通常の軍事演習を行うことにしたことが報じられました。
    今週の初めには米国のライス副補佐官が中国の習近平と会い、中国は覇権国ではなく、常に問題は武力を用いず平和的に解決することなどを強調した。米国の大統領府と中国はお互いのバランスをとっている。
    日本の安倍政権は特定秘密保護法を通し、旧武器輸出三原則を防衛装備移転三原則に閣議決定した。これによってパレスチナ問題を抱えるイスラエルに、武器輸出は禁輸対象だったが、それが可能になり、「イスラエルとの間で無人偵察機を共同研究をしたいと」打診している。
    くすぶる韓国、中国との関係、パレスチナガザ地区の人たちは今や天井のない監獄のような暮らしだと報道されています。日本が戦後、世界に認められた国の根幹の平和憲法9条はどうなってしまうのでしょうか。日本発の国際社会混乱を決して許してはいけないのです。
    まだ戦後の処理もきちんとされてないのに、自分の身の可愛さだけでは、日本のリーダーではないと言いたいです。

  3. 本当にその通りですね

    珍しく良い記事書いてくれてありがと

    日本は自前の戦闘機も持ってない逆らえば自衛隊は動かなくなる事もある

    今はアメリカとは現実的に付き合わなきゃいけない

    安倍はアメリカだけじゃなく韓国にも大甘な所が気に食わないと保守層も思ってる

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