天木直人の公式ブログ

これがバイデン発言に対する日本政府の見解である

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Photo by : The Huffington Post ”「日本国憲法はアメリカがつくった」 バイデン副大統領が明言” [http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/15/biden-japan_n_11538084.html]
Photo by : The Huffington Post ”「日本国憲法はアメリカがつくった」 バイデン副大統領が明言” [http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/15/biden-japan_n_11538084.html]

 バイデン米副大統領が大統領選挙の演説の中で、日本の憲法は米国がつくったと発言した。

 この事について私は、日本は抗議しなければいけない、と書いた。

 いやしくも一国の憲法を、他国に、しかも副大統領と言う要職にある人物に、俺たちが書いたのだ、などと公言されて、沈黙したままということはあり得ないからだ。

 その私の忠告に従うように、在米日本国大使館がバイデン発言について見解を述べたらしい。

 そのことをきょう8月18日の読売新聞の記事で知った。

 しかし、その記事を注意して読んで行くうちに笑ってしまった。

 それは読売新聞の取材に対するコメントに過ぎないというのだ。

 どうりで他の新聞は一切書いていない。

 読売新聞だけにコメントして終わらせるとは何事か。

 しかも、そのコメントは次のようなものだという。

 「現行憲法は、最終的には帝国議会で十分に審議され、有効に議決されたものだが、占領軍当局の強い影響の下で制定されたものだと考えている」

 そして、私は、その読売新聞の記事を見て認識をあらたにした。

 この在米日本大使館の読売新聞に対するコメントは、日本政府が2006年10月10日に閣議決定していた内容に沿ったものだというのだ。

 それだけではない。

 読売新聞のその記事は、安倍首相が今年2月4日の衆院予算委員会で憲法制定の経緯について次のように述べたと書いている。

 「占領下にある中、当時の日本政府といえどもGHQ(連合軍総司令部)の意向には逆らえない。その中において憲法が作られたのは事実だ」と。

 私は知らなかったのだが、安倍首相は国会答弁ではっきりそう言っていたのだ。

 2006年は安倍第一次政権の自民党政権下だ。

 2016年の安倍第二次自民党政権もまた同じ認識を繰り返している。

 その間の民主党政権の時は、憲法制定過程についてのどのような政府認識を示したのか、あるいは示さなかったのか、私は知らないが、やはり同様の公式見解にならざるを得なかっただろう。

 つまりこれが憲法制定の認識に関する日本の公式見解なのである。

 バイデン副大統領の発言に反論できないはずだ。

 おそらくこのバイデン発言ついては、政府も有識者も世論も、何の反応を示すことなく、沈黙のままやり過ごされるに違いない。

 唯一、右翼だけが、だからいまの憲法は無効だ、自分たちの手で憲法をつくるべきだと訴え続けるだろう。

 そして、そのような右翼の声は誰にも相手にされず、この国の対米従属は続く。

 バイデン副大統領の発言には日本政府はすかさずこう切り返すべきだ。

 つまり日本政府が世界に対して発信すべき公式見解はこうあるべきだ。

 米国占領下でつくられた平和憲法であるが、それを日本国民は積極的に受け入れ、いまや米国の安保政策までも従わざるを得ない、それが憲法9条だ。そのような憲法9条を日本は誇りに思う。世界に広めたい。

 そう胸を張って言える政府を日本は持たなければいけない。

 そんな日本を目指す政党こそ新党憲法9条である(了)

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コメント6件2168

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. 現憲法9条の戦争放棄は、日本人による憲法草案にはなく、GHQの意向が入ったものであることが推測されるが、あくまでも日本人の手になるものであり、世界に誇れるものである。
    自衛隊の位置付けを自民党、公明党、大阪維新の会は違憲としている。天木氏はどんな位置付けをしますか?
    私は、国境守備と災害救援に限るかぎり違憲ではないと理解しています。国民の生存権に資する存在だからです。

  2. 下記は引用文です。
    鈴木安蔵らの憲法研究会「憲法草案要綱」

    一、日本国の統治権は日本国民より発す
    一、天皇は国民の委任により専ら国家的儀礼を司る
    一、国民は法律の前に平等にして出生又は身分に基く一切の差別は之を廃止す
    一、国民の言論学術芸術宗教の自由に妨げる如何なる法令をも発布するを得ず
    一、国民は拷問を加えらるることなし
    一、国民は健康にして文化的水準の生活を営む権利を有す
    一、男女は公的並私的に完全に平等の権利を享有す

    憲法研究会は、1945(昭和20)年10月29日、日本文化人連盟創立準備会の折に、高野岩三郎の提案により、民間での憲法制定の準備・研究を目的として結成された。事務局を憲法史研究者の鈴木安蔵が担当し、他に杉森孝次郎、森戸辰男、岩淵辰雄等が参加した。研究会内での討議をもとに、鈴木が第一案から第三案(最終案)を作成して、12月26日に「憲法草案要綱」として、同会から内閣へ届け、記者団に発表した。また、GHQには英語の話せる杉森が持参した。同要綱の冒頭の根本原則では、「統治権ハ国民ヨリ発ス」として天皇の統治権を否定、国民主権の原則を採用する一方、天皇は「国家的儀礼ヲ司ル」として天皇制の存続を認めた。また人権規定においては、留保が付されることはなく、具体的な社会権、生存権が規定されている。
    なお、この要綱には、GHQが強い関心を示し、通訳・翻訳部(ATIS)がこれを翻訳するとともに、民政局のラウエル中佐から参謀長あてに、その内容につき詳細な検討を加えた文書が提出されている。また、政治顧問部のアチソンから国務長官へも報告されている。

    上記内容は、現憲法が米国の押し付けではなく、戦争の反省から出た、日本人法学者が作製したものを占領軍GHQが認めたものであったのが真実だ。バイデン発言は日本に改憲を押し付ける下心を表したものである。

  3. 私は以前、渡邊和見『憲法の神髄と日本の未来』が憲法九条は昭和天皇の強い意志が幣原喜重郎とマッカーサーに働きかけて実現したものだ、と論じていることを、天木さんにお伝えいたしましたが、天木さんはまだこの本をお読みでないようですね。

    憲法九条がアメリカの押しつけであるならば、どんなに理想的であっても、日本人として誇ることはできません。しかし、これは昭和天皇の恒久平和への祈りから生まれたものなのです。

    天木さんは九条は認めますが、一条(天皇)には反感をお持ちのようです。天皇を持ち出す時も、安倍政治を批判するためだけです。しかし、一条と切り離された九条ではいつまでたっても圧倒的多数の国民の支持を受けることは難しいでしょう。

  4. 安倍もアメリカも九条の理念なんて世界に広めたくない連中ですから。下手すりゃあ安倍が言ってもらった可能性だってある。アーミテージ・ナイレポートだって、どう考えても外務防衛の官僚が書いて貰ったようにしか思えなくなっている。
    この辺天木氏に解明してもらいたいものです。

  5. バイデン副大統領の憲法発言について、ワシントンの日本大使館は16日NHKの取材に対してコメントを出した。「大統領選挙における発言の逐一に見解を述べるのは適切でなく、差し控えたい」ただ述べたことは、天木様のブログの通りです。
    日本政府は「憲法9条は、一切の核兵器の保有や使用をおよそ禁止しているわけではないとする一方、非核三原則やNPT=核拡散防止条約などにより、「一切の核兵器を有しない」としています。

    選挙の発言だろうが、やはり米国の副大統領の発言です。

    専門家「発言正しいとはいいがたい」
    憲法の制定過程に詳しい上智大学の高見沢勝利名誉教授は、バイデン副大統領は、憲法9条を念頭に置いて発言したと考えられるとしたうえで、「憲法9条は、GHQのマッカーサー最高司令官と当時の幣原総理大臣との会談をもとに原案ができたと考えられ、バイデン副大統領の発言は正しいとは言い難い」と話しています。
    また、憲法の制定過程については、「当時、戦後の占領下でGHQの強い影響はあっただろうが、_GHQが示した案に対して日本政府が検討し、国会の決議を経て憲法は公布されている。
    「生存権」の条文を新たに盛り込むなど日本側が修正を加えていて「アメリカが書いた」という発言は言い過ぎだ」と指摘しています。NHK NEWS WEBより8/18/2016

    ブログのように憲法9条は、世界に誇れるものです。今世界に求められているのは、これが世界に行きわたることです。

  6. 自分は日本が草案を書いたが却下されホイットニーという人がマッカーサーの指示で作ったと認識しています。

    逆に当時の日本人には絶対作れない憲法だったと思います。敵国にしか作れない憲法だった。日本人が作ると保守的になり大して帝国憲法と変わらなかったと思う

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