天木直人の公式ブログ

いまこそ新党憲法9条が必要だと喝破した宮台真司と白井聡

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 きょう11月25日の朝日新聞のオピニオン頁「耕論」で、社会学者の宮台真司氏と政治学者の白井聡氏の二人が、トランプショック後の日本について語っている。

 二人に共通する認識は、「保護者なき日本」の迷走だ。

 すなわち、宮台氏は要旨次のように語っている。

 僕はトランプの勝利を待ち望んでいたと。

 なぜなら対米従属という日本最大の自明性が崩れるからだと。

 戦後の日本は経済重視の吉田茂ら自由党系も、国権重視の鳩山一郎ら日本民主党系も、対米従属を踏み外せなかった、そしてそれは憲法9条護持を掲げる左派も同じだったと。

 平和主義を掲げつつ、安全保障政策は米国に依存し、負担は沖縄に押しつけて、見たいものしか見ないご都合主義だったと。

 そして宮台氏はこう喝破する。

 クリントンが当選していたら、既存の自明性への埋没が続き、問題が放置されたに違いないと。

 そして、「ひどい秩序でも壊れかけると、混迷した人々が秩序にすがろうとする。だからこそ新秩序のビジョンを告げる営みが必要だ」という哲学者の言葉を引用し、トランプの米国が登場したいま、日本が混乱するのは当然であり、絶望的な状況の自覚から新しい日本が始まるのだと語っている。

 一方の白井聡氏は要旨次のように語っている。

 米国が孤立主義に振れれば、日本は対米従属から対米自立へと向かわざるを得なくなると。

 自分も早く日本が自立してほしいと思うと。

 しかし、官邸や外務省はそのビジョンも意思もないと。

 トランプになったら、ヒラリーになったら、日本の影響はどうだ、こうだ、ばかりだった。これは変でしょう。自分たちはこうしたい、というのが一切なくて、米国はどうなるのかという読み解きばかり。異様です。何も考えずに米国にくっついてさえいればいいと思っている証拠だと。

 そして白井氏はこう自らの持論を述べて締めくくっている。

 日本のTPP反対派にはトランプ氏に期待する向きもありますが、(私は)楽観していません。

 ひたすら対米追従するという日本側の本質はなんら変わっていないのだから、米国の国益追及がむき出しになる分だけ、今後、従属の露骨さはむしろ高まると思います。90年前後に冷戦が終わり、敗戦によって生まれた対米従属を続ける必要がなくなったのに、保守政権はそれをやめようとしない。だから私はこれを「永続敗戦論」だと名づけました。この構図がなお続くだけだと。

 ここに語られた二人の意見に、私はまったく同感だ。

 そして、私もその事を繰り返し書いてきた。

 しかし、宮台氏の言葉の中には、どうすれば自立できるのかという答えがない。

 白井氏の言葉は、あまりにも悲観的であり、永続敗戦から逃れられない諦めがある。そして永続敗戦論は保守政権の責任だと決めつけている。そうではない。宮台氏が言うように護憲左派もそうだ。いや、メディアも国民も、みな永続敗戦意識から抜け出せなかったのだ。

 この両者の課題を克服するものこそ、新党憲法9条をこの国の政治の中に誕生させることなのである。

 米国からの自立、独立の前提は、どうやって日本を自らの手で守るかだ。

 それは決して他の主要国と競い合って、軍事強国を目指す事ではない。

 ミサイルの応酬による核戦争が当たり前のようになった今日、軍事力の強化は際限が無くなり、危険性を高めるだけだ。

 憲法9条を掲げ、自衛隊を、米軍の従属物から解き放って日本の専守防衛の為に全面的に再構築し、そして、なによりもアジア諸国との平和共存を実現する、それを国是とすることしか選択肢はない。

 これこそが、宮台氏の言葉に答えを与え、白井氏の悲観的な「永続敗戦論」に希望を与えるものだ。

 繰り返して言う。

 米国から自立して、いまこそ平和憲法を掲げて外交の主軸をアジアとの共存共栄に移す、そう国民に気づかせる新党憲法9条こそ、宮台氏の言葉に答えを与え、白井氏の悲観論に希望を与えるのだ。

 この二人は、おそらく新党憲法9条の存在を知らないに違いない。

 しかし、それを知れば賛同できないはずはない。

 なぜなら、彼らこそ、いまこそ新党憲法9条が必要だと喝破した言論人であるからだ。

 このような言論人が一人でも増え、そしてメデアでどんどん発言するようになった時こそ、新党憲法9条が現実のものとなる時である(了)

コメント2件1573

COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. >しかし、宮台氏の言葉の中には、どうすれば自立できるのかという答えがない。
    >白井氏の言葉は、あまりにも悲観的であり、永続敗戦から逃れられない諦めがある。
    件の宮台教授は、今年にわかに話題となった「オルタナ右翼」(パソコンのキーボードになぞらえて「Alt-Right」とも表現)に属する人物だったのかも知れませんね。二人の対談の後、彼らが新党憲法「9条」について語ってくれたという報道は、寡聞のため私も見聞きしませんでしたが、元々、宮台教授らと天木大使や新党「9条」とは方向性が正反対だったような気はします。
    件の宮台教授は、5年前のフクシマ事故の後、インターネットTVチャンネルを運営する神保某氏と共に「脱原発」「反原発」に力を入れるネットTV番組を何度も流していた人物でしたが、それで私も意外(?)に思ったのを覚えております。しかし、それも数年後には自ら否定してしまう、という変わり身の早さ(?)を見せたのが同教授でしたね。2013年だったか、同教授は自らが出演するTBSラジオの番組内で「実は僕は今も原発推進派です」とブッチャケ話を放送したわけですが(今もユーチューブにその録音が残っているとは思いますが)、そんな「二面性」に驚き呆れたのを思い出します。他方で、昭和天皇が参拝を「拒否」し、今上天皇も決して行かない場所として悪名高いあの靖国神社を礼賛する話も、インターネットTVの番組では流していたりと、同教授は「オルタナ右翼・右派」と言えなくない人物なようです。
    日本国民の「象徴」である天皇とその一家が決して行かない場所に好んで出かけたり礼賛したりするだけでも、まあ変わった人物だとは言えますね。5年前に粉々に吹っ飛んだフクシマ原発が今も毒物(放射性物質という名の)を放出中にもかかわらず、それでもなお「原発推進」なる時代遅れのスローガンをあえて公共の電波で語る……それもフツウの精神状態の人物では出来なそうですが、件のインターネットTVの番組をいくつか視聴していて知った限りでは、彼の恩師は「会津藩」関係者(で旧民主党最高顧問だった渡部恒三元代議士の友人)だったらしく、その薫陶(?)を受けたせいで、原発をめぐるブッチャケ発言や靖国礼賛につながって行ったのかも知れません。
    件の渡部元代議士は、フクシマ事故の折(2011年4月頃)、あの天下の「日刊ゲンダイ」の報道で「東京電力と半世紀の癒着を続けて来た政治家だ」などと暴かれた政党政治家でした。そのせいもあってか、後継者の指名もせずに引退する道を選んでいきましたが、あのつかの間の「政権交代」を演じたふた昔前の細川内閣の当時、渡部元代議士が「これは『平成維新』だ」などとTVカメラに向かって語るのを見て驚いたのを覚えています。「会津藩」中心の「歴史観」を持っていたので、あの政権交代も「明治維新」に対抗する「巻き返し」だ、と言おうとしたのでしょうね。「会津藩」中心史観とでも言うべき「歴史観」を持っていた「政治家」だったと思いますが、あの当時はNHKのTVも「会津藩」関係者の小説家・早乙女貢氏を「そのとき歴史が…」というような番組に何度も出演させたりしており、そうした歴史修正主義(としか言いようがない「歴史観」)がわが国の一般の庶民にも人気を博していた時期でした。徳川幕府の方が天皇・朝廷よりエラかった、と称する幕府中心史観という歴史修正主義が、NHKという「国営TV」でそうやって流布された時代があったのはやはりいただけません。
    この「オルタナ右翼」という用語は、すでにウィキペディアにもページが出来ていて、わが国でも少しずつ知られて来ているようです。今年、ドナルド・トランプを支持するアメリカ人の中に生まれた潮流、というのが一応の「定義」なようですが、それ以外にもナショナリストだの何だのという「定義」も付けられているようではあります。ただ、定義などない、という見方もあります(案外それが正しそうですが)ので、もしかすると単なる一過性の「ブーム」をそういう名称で呼んでいるだけかも知れません。
    トランプ次期大統領の「首席戦略官」に就任予定のビジネスマン、スティーブン・バノンがこのオルタナ右翼・右派のアメリカでの代表格、と言うことは出来そうです。アメリカで人気のインターネット・ニュースサイト「Breitbart News」の創設者が急死した後、同社の経営を一手に引き受けたのがこのバノン氏だそうですが、真偽はともかく、「レーニン主義者」だ、などとも言われているそうです。選挙で当選したトランプは、この「オルタナ右翼」と距離を取る発言を早速しましたし、この勢力は今後、切り捨てられては行きそうですが、バノンという人物には興味深いものがあります。かつての「ネオコン」集団は、元々「トロツキー主義者」だったのが方向転換してネオコンになった、などという説を唱える日本人のユーチューブ動画もあるわけですが、確かに「両極端」には相通じるものもあるのでしょう。
    この「トランプ・フィーバー」は今もまだ冷めやりませんが、熱い鉄を打つ場合も、良い形に打って行く必要がありますね。その良い方向とは、やはり「Alt-Right」などではなく、新党「9条」をおいて他にはないでしょう。この新聞の読者も、この二人の対談を読んでそこで終わり、とするのではなく、もう少し視野を広げてほしいものですし、今秋ついに新党憲法9条が産声を上げたことを知ってほしいものだと改めて思います。
    ちなみに今日、天木大使がツイッターで語ったように、あの日本共産党さんもそろそろ党名くらい変更したらどうかと私も思いましたが、それもこのトランプ・フィーバーが残っている内にやったらどうか、と思います。もしくは、「プロレタリアートによる独裁」という同党の綱領なるものを、この際、変更してほしいものですね。少なくとも、「ユーロコミュニズム」運動の時代をキチンを経験した西ヨーロッパの「共産党」各党は、もうそんな「独裁」を政治目標にしてはいないでしょうから……。どちらもムリな期待でしょうが、日本共産党さんも当てにはならない今、やはり新党憲法「9条」が孤塁を守り、コツコツと支持者の輪を広げて行くべき秋だろうと改めて思いました。

  2. すばらしい考え方だろうとは思うが、アジアの共存共栄には、まずは中国と仲良くしなければならない。という事は南シナ海の領有権を認め、日本も尖閣諸島で妥協しなければならない。
    そして誰もが思っているのが、アメリカという巨像が後ろにいなくなると、中国はまずは漁民が上陸し、その後基地を作り実行支配していくのではないかと考えている。 そうなれば日本は攻撃はできない、抗議意外何もできないだろうと。

    アジアで安全保障といっても日本は自らの防衛しかできないので他の国は日本と連係するメリットが全くないと思うのだが。

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