天木直人の公式ブログ

TPP予算執行があぶりだした農民票欲しさのTPP国会論争

ブログランキングに参加しております。 よろしければクリックをお願いします!
政治 ブログランキングへ

 TPP発効はもはや誰が見てもあり得ない。

 それでも、TPP対策として計上された1.2兆円もの巨額予算はそのまま執行されるという。

 われわれ納税者として、これほど納得のいかない事はない。

 それでも政府は執行にこだわる。

 なぜか。

 TPP対策費の大部分は農産品対策費だ。

 その執行停止は、もらえると喜んだ農業関係者を怒らせる。

 早晩行われる衆院選で農民票を失うおそれがある。

 だから執行するしかないのだ。

 一方の野党はどうか。

 たしかに予算執行を批判する野党議員はいる。

 しかし、決して本気で執行停止を求めているようには見えない。

 なぜか。

 それは、彼らもまた農民票を失いたくないからだ。

 特に、TPP反対の急先鋒だった野党議員ほど沈黙している。

 なぜならTPPに強硬に反対して来た野党議員こそ、農民票で当選させてもらった議員だからだ。

 TPPをめぐるこれまでの交渉や国会論争は、間違いなく農産品保護問題が突出していた。

 農民票を奪い合う政局論争の要素があった。

 TPPには国民生活にとってもっと深刻な問題があるというのにである。

 だからこそ一般国民にはTPP論争がいまひとつ理解できないのだ。

 そして、そのことは今後も続く。

 TPPが無くなれば喜ぶべきはずの野党が、素直にそれを歓迎しない。

 TPPが無くなればより厳しい交渉に迫られると警戒する。

 TPPをなくして世界が保護主義になってもいいのかと政府が開き直れば、守勢に回らざるを得ない。

 TPPの予算執行停止問題がはからずもあぶりだしたもの。

 それはこの国の政治の大きな部分が、今も昔も農民票の奪い合いであるという現実である(了)

コメント1件1005

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 1 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. >特に、TPP反対の急先鋒だった野党議員ほど沈黙している。
    >なぜならTPPに強硬に反対して来た野党議員こそ、農民票で当選させてもらった議員だからだ。
    おっしゃる通りの「政治」の混沌が顕在化している今日この頃です。TPP反対、と公然とポスター類を掲出して来た与党・自民党が、それはウソだった、とあっさり認めた(安倍首相自らの国会答弁で)……それが今年のわが国の「国会」でした。それが原因で(「日本農業新聞」社の発表でしたが)、農家の自民党支持率が1割前後に激減、という驚くような展開を見たのが今年のわが国の「政治」でしたね。
    しかし、だからと言って、農水相などがこのTPP予算をめぐって、わが国の「農協」などの団体と農水省にて非公式に交渉する、などという発言が許されるわけではないし、そんな話が報道された際は全国的にバッシングもされたはずです。それでもなお、今もTPP予算の「ぶんどり合戦」(?)に血道をあげるのがわが国の「農協」と農水省(そして国会の各党の議員ら)だという現実は、わが国の農水政策が末期状態にある事を証明していると改めて思います。
    今でも、わが国の農水省は「米価維持」政策なるものを大看板としているわけですが、まるで江戸時代の「農政」が今も続いているという事でしょう。江戸時代の徳川幕府は、武士の俸給が現物支給(コメ支給)によるものだったため、また「不換紙幣」が流通し始めたにもかかわらず、お隣の中国とちがって貨幣政策(「金融政策」)に無知・稚拙だったため、貨幣改鋳の「○○の改革」を繰り返して失敗を続ける、というていたらくでしたから、江戸時代は「米価維持」しか農業「政策」を考え付かなかったのでした。
    もしわが国の米価が安くなれば、仮に(あくまで仮)年金「抑制」政策が実施に移されたとしても、年金生活の老人層も安いコメを購入して生活費の帳尻を合わせる事も可能となりますから、良い面が多数あるわけですね。それが逆に、米価「つり上げ」(?)政策がこうして公然と「国政」によって続いているわが国では、一般国民の生活水準は(農家を含めて)向上などせず、逆に低下して行くしかありません。しょせん「補助金」のたぐいで「維持」されるだけの「農業」だからですね。
    今まで40年余りも続いたわが国の「減反政策」も、自民党の政策が変わって、あと数年で打ち切られると分かって来ています。TPPの「準備」のためだ、とも言われていましたが、このいわゆる減反「補助金」にどっぷり漬かって一~二世代も過ごして来てしまったわが国の農家は(私自身も多くの農家を知ってはいます)、もうコストダウンの努力も出来ない状態ですね。それでは、今の食品市場が求めるニーズに応えよう、という意思も意欲もないのが現実でしょう。実際、わが国ほど化学農業に偏った国は少ないそうで、有機農産物の需要が高まっているのが市場の現実にもかかわらず、有機農業に転換する「農家」は少ないままのようですから……。
    まあ「農協」団体さんも、自分たちが設立して経営して来た化学肥料・化学薬品(殺虫剤・除草剤など農薬や一般の家庭用薬品も)の大企業が存在しますから、どうしてもこれまで通り、一般の農家にはケミカルな「農業」を続けさせて行こうとするわけですね。そのため、農産物市場での有機農産物を求める需要と供給がミスマッチとなったまま、わが国の農家の姿勢は改まりませんので、行き着くところは「補助金」でありTPP「予算執行」を要求すること、それだけになります。これでは、「国の基」と言われる「農」がわが国で行き詰ったのは当然でしょう。
    ことにわが国の農業の場合、農機が高価すぎる、とかねてから言われ続けて来ましたが、農機産業も適切な「競争」原理が排除されているのか、いまだに農機価格は下落して行かないようです。そろそろ「中国製」の安い農機が日本市場に大量に参入しても良い頃ですが、それも起きていないようですね。恐らく、わが国の「農業」では、何か市場の自由な価格競争(それによる市場の発展・成長)を阻害するようなファクターが農機産業を含めて働いている、それが真相なのでしょう。
    そのファクター・要因のひとつがTPP「予算執行」なのかも知れませんが、国会の「野党」諸君にはこんな時こそ、真の「農」を成長・発展させるために何が必要なのか?と真剣に議論してほしいものですね。わが国の農水産業では、田園まさに荒れなんとす、と言われて久しいものがあります。今こそ、少なくとも「補助金」や「TPP予算」は農業等の低迷を解決しないのだ、と国会の場でキチンと議論するべき秋(とき)だと改めて思いました。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

Return Top